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「こんにちは。」
Aは少ししゃがんで、覗き込むように扉の中を覗くと、先程の少年がそこで体操座りをしていた。
「え、えっと…………」
「僕、夏油A。お名前は?」
「ぼ、ぼくは………
「雅火くん!綺麗な名前!」
「え、、、、、お、おんなの子みたいじゃ、ない、、?」
「……?男の子が可愛い名前じゃだめなの?」
Aは不思議そうな顔をして首を傾げる。
「おとうさーん!」
「はいはい?」
「男の子が可愛い名前じゃなんでだめなの?」
「ダメなことないよ。いいんじゃないかい?」
「ほら、だめじゃないよ。」
「う、うん………」
「ね、僕たちと遊ぼ?一緒に遊ぶと楽しいよ。」
ね?と彼がそう言うと、雅火は少し考えたあと小さく頷いた。
「みんな、遊ぶって!何して遊ぼうか。鬼ごっこでもする?」
彼らはAを筆頭にぞろぞろと庭に出てくる。雅火はAに手を引かれ、少しオドオドしていたがだんだんとその輪に溶け込んでいく。
「へぇ〜あの子凄いわ〜!なんてゆーか……純粋やな。」
「でしょう?」
「でもまぁ君の息子やからな。これから先どうなる事やら……」
「ちょっと。」
「…雅火なぁ、親が術師なんやけど任務先で亡くなってしもてん。去年の冬頃かな。ここじゃ子供との交流もほとんど出来んから、保育園にも通わしてみたんやけど、あの子あの名前やろ?」
「………あぁ………」
「人見知りやからなかなか人に話しかけられへんし……お父さんとお母さんが生きとる時はお家で一人でお留守番してたらしいからそのせいやろな。
でも、あの子ほんますごいわぁ〜…」
帯の間から扇子を取り出すと、とんとんと口元を叩いた。その視線の先には、他の彼らとじゃんけんをする雅火の姿があった。
「あの子があんなに笑ってんの、ウチ初めて見たわ。」
そう言うと、憑代は嬉しそうに微笑んだ。
「あの子に任して良さそうやな。どうや、お茶でも。今職員みーんな任務で出払ってるから美味しいお茶菓子出すで。」
「ぜひ。」
「後で小狐ちゃんたちにもやろ〜」
元気に庭を駆け回る彼らをチラリとみて、憑代は安心したような表情をしたあと園内に入っていく。
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shiro(プロフ) - 誤字の指摘で失礼します!着物が置物になっております!いつも楽しみにしています!! (2021年5月21日 7時) (レス) id: ec5b8a1d5e (このIDを非表示/違反報告)
M(プロフ) - 由基さんと息子くんが出会ったーーー!!!!そしてついに息子くんが御三家に行くですと!?!?何ですかそれ!?めちゃくちゃ面白そうな展開!!!!続きが気になります!!更新頑張ってください!!応援しています!!!! (2021年5月20日 22時) (レス) id: addf3f5d58 (このIDを非表示/違反報告)
M(プロフ) - 冥さんと息子くんの絡みが想像以上にやばかった(最高)でした!!!!そして息子くんにデレデレの直哉くんも(色んな意味で)最高でした!!笑 (2021年5月18日 20時) (レス) id: addf3f5d58 (このIDを非表示/違反報告)
望(プロフ) - 続編おめでとうございます!!!!自分としては五条先生版も読んでるんですが、なんだか重ねて読むのが一番好きです!!!!ひっそり応援しております!!!! (2021年5月17日 5時) (レス) id: 64f1bce536 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうひ(プロフ) - あーもう…好きです… (2021年5月16日 1時) (レス) id: ce721a0333 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花蛸花 | 作成日時:2021年5月16日 0時