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謹慎処分を言い渡されたと聞いてハラハラしていた彼の祖父母の元に、二人が好きそうなお菓子を持って訪れる。
「ただいま〜」
「A!大丈夫…!?体壊してない!?」
チャイムを押してしばらくすると、心配そうな顔をした美代子に身体のあちこちを確認される。少し痩せた?ちゃんとご飯食べてる?と心配されまくりだ。
「大丈夫だよ。筋肉がちょっと落ちただけ。これからまた元に戻るから。」
「A!!元気にしてたか?具合は悪くないな??」
「おじいちゃん、私別に病気してたわけじゃないよ……」
続いて出てきた聡もまた、Aの身体のあちこちを確認しては、痩せたか?ご飯食べてるか?と同じような心配をしてくる。その度、申し訳なさでいっぱいになる。
やっと中に入れたのは、チャイムを鳴らした10分後。
「これ、二人が好きそうなやつ買ってきた。」
「あら、わざわざありがとう!」
「傑に聞いたよ。海外に行くんだって?どこの国だ?」
「さぁ…?色んな国を渡り歩くらしいよ。」
「これもまた、いい経験だ。人間としても成長できるいいきっかけになる。しっかり学んできなさい。」
「はい。」
二人とも、謹慎処分について深くはさぐってこなかった。それがAにとって一番ありがたいわけだが。
「今夜はコロッケにしましょうね!かぼちゃのコロッケ!」
「なら私も手伝うよ。」
「いいのよ、座ってて!おばあちゃんが腕によりをかけて作るからね!」
ふんっ!と意気込む祖母に、思わず笑みがこぼれる。この光景も、もう暫くは見ることが出来なくなる。
「いつ海外に?」
「来週だよ。だからその前にと思ってね。」
「土産話、期待してるぞ。」
「ほとんど任務の話ばっかりになると思うけどいい?」
「ははっ!それはそれで面白そうだ!」
呪いが見えないからこそろ呪いの見える彼らの話は新鮮だった。だから祖父は任務の話を聞きたがる。自分たちにとっては何気ない日常でも、聡達にとっては未知の世界。ふむふむ、と真剣に自分の話を聞いてくれる祖父母が、Aは大好きだった。
「最近、面白いのはいたか?」
「あぁ、この前面白い形のがいたよ。___」
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ゆーりん - 泣きそうになったのは仕方のないことです!辛い!! (2022年11月20日 2時) (レス) @page35 id: 63a2588af8 (このIDを非表示/違反報告)
魔朝@Bsc(プロフ) - おっと目から水が......(´: ω :`) (2021年6月26日 21時) (レス) id: 9bfc59222b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花蛸花 | 作成日時:2021年6月25日 2時