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「A、行くよ。」

「あぁ。」





数日後、夏油と共に部屋を出る。久しぶりに外に出たが、特に誰かに会うことも無く面会室へと通された。





「話が終わったら出ていおいで。ここで待ってるから。」





夏油はそう言うと、ガラッとその部屋の扉を開けた。





「久しぶり、Aくん!」





よ!と軽く手をあげた九十九は、ソファーに座りながら陽気に笑っていた。





「お久しぶりです。すみません、わざわざ。」

「いいんだよ。まさか君から連絡が来ると思ってなくて驚いたけど。」





謹慎部屋と同じように部屋中呪符の貼られたその部屋。九十九の目の前にあるソファーにAも腰掛けた。





「謹慎の話、葵から聞いてたんだけどね、連絡をしても帰って来ないって聞いてたから余計驚いちゃった。」

「まぁ、反省のための期間ですからね。」

「面会も全部拒否。そんな君が会いたいなんて驚いたけど…なにか大事な話?」





もう既にわかっているだろうに、彼女は何も分かっていないかのように彼に問う。そんな彼女に、Aはため息をついた。





「……以前聞かせていただいた話、正直断る気しかなかった。」

「え、そうなの?」

「でも、世界を見れば今の考えも少しは変わるかと思ったんです。このままでは術師なんて続けられない、でもこの力を持ったまま現実から目を背けて生きていくなんてまっぴらなんですよ。」

「…それが、君の答え?」

「………九十九さん、あなたについて行きます。…でも、自分への成長に繋がらないと思ったら直ぐに日本に帰国します。」

「あっはっはっ!言うようになったね〜」

「でも、私もずっと日本を離れる訳にはいきません。なので、期限を決めさせてください。せめて、2年間。」

「いいよ。その方がいいだろうしね。」





九十九はそう言うと、ソファーから立ち上がった。





「謹慎期間を終えたら迎えに来るから、また連絡して。ちゃんとお父さんには説明しておくんだよ。」

「はい。わざわざありがとうございました。」





Aはもう一度九十九に頭を下げると、九十九が出ていった方とは反対の扉から外に出た。






「あれ、もう終わり?」

「うん。……父さん、ちょっと話があるんだ。時間ある?」

「……いいよ、部屋で話をしよう。」

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ゆーりん - 泣きそうになったのは仕方のないことです!辛い!! (2022年11月20日 2時) (レス) @page35 id: 63a2588af8 (このIDを非表示/違反報告)
魔朝@Bsc(プロフ) - おっと目から水が......(´: ω :`) (2021年6月26日 21時) (レス) id: 9bfc59222b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:花蛸花 | 作成日時:2021年6月25日 2時

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