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東京都内公民館の倉庫内。そこに隠された呪具の回収。そして報告外の呪霊の祓除。その任務に当てられたのは、Aと夕霧、そして引率係の虎杖だった。
「……うん、他に呪霊は居ないね。」
「あっちも異常なしです!」
「2人ともおつかれ〜!」
幸穂が亡くなって1ヶ月。みんなも徐々に現実を受け入れ、実幸と幸慶も少しずつ前に進み始める中で、Aの非術師に対する嫌悪感だけは消えなかった。
「じゃあそろそろ…「あれ、夏油くんじゃん!」
公民館を出た後、彼に声をかけたのは彼と同い年くらいの女だった。
「きみは……確か同じ中学の。」
「そうそう!覚えててくれて嬉しい〜!雰囲気変わってたからわかんなかったよ!」
「まぁ、色々あってね。」
「その人たちは?」
「あぁ…私の高校の教師と後輩。ボランティア活動の下見に来てたんだ。」
「へ〜」
虎杖たちは頭を軽く下げたが、彼女はぷいっと顔を背けてAの腕にしがみつく。噎せ返りそうになるほどの香水の匂いに、少し顔を顰める。
「みんな元気?雅火くんとか幸慶くんとか…あと夏油くんの周りうろついてた二人。」
「…誰のことかな?」
「んー…あ、幸穂ちゃん!と、…あの子地味だから覚えらんな〜い!」
「……実幸?」
「それそれ!元気?」
「……まぁ、そこそこかな。」
「あの二人そこまで可愛くもなかったし……夏油くんは勿体ないって感じ?」
ピクッとAの顬がひくついた事に2人は気づいた。
「ちょっと言い過ぎじゃない?うちの生徒を悪く言われんのはだいぶ気分悪い。」
「え!?夏油くんと同じ高校行ったの!?どこまで図々しいのあの二人〜!?」
虎杖の注意の言葉にも、少しも耳を貸さない。
「ねぇ夏油くん知ってる?あの二人、色んな男に股開いてたって噂!夏油くんのとか雅火くん達の事利用して周りの男食い荒らしてたらしいよ〜!まじ最悪だよ!中学でそれなら、高校じゃマジビッチな感じ?」
「……少し黙ってくれるかな。」
「そうだよね〜!まじショックだよね〜!そのうち刺されて死んじゃうよ〜!」
キャハキャハと甲高い声で笑うその女。プツンッとAの中で何かが切れる音がした。
「……黙れってのが聞こえねぇのか。猿。」
ズズッと溢れ出てくる呪力に、虎杖が目を見開く。
「A!!!!」
虎杖が手を伸ばした時にはもう遅くて、すぐ側にあった公民館の半分が吹き飛んでいた。
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ゆーりん - 泣きそうになったのは仕方のないことです!辛い!! (2022年11月20日 2時) (レス) @page35 id: 63a2588af8 (このIDを非表示/違反報告)
魔朝@Bsc(プロフ) - おっと目から水が......(´: ω :`) (2021年6月26日 21時) (レス) id: 9bfc59222b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花蛸花 | 作成日時:2021年6月25日 2時