52、おやすみ ページ9
赤葦が宿題を終わらせている横で、僕は本棚にあった漫画を適当に読み漁っていた。ふいに視線を感じ横を見ると赤葦はじっとのんきに笑ってる僕をみていた。
もしかして笑い声うるさかった?
それとも僕が勝手にベットの上でごろごろしてるのが気に入らないとか…
『ごめん赤葦!いますぐベッドから降りるし静かにする…』
赤葦「…別にそう思ってAのこと見てたわけじゃないよ」
『ほんと?』
赤葦「Aって可愛いを通り越して愛しいなぁって…」
眠いのかぼおっとしながらシャーペンをくるくるっと器用に回している赤葦の口から意外な言葉がぽろっと落ちた。ひゅうっと窓から五月の爽やかで優しい夜風がカーテンを揺らして部屋に入ってくる。
赤葦「うそだよ」
そっぽを向いた赤葦の顔はほんのり赤くなっていた。それが嘘でも照れられるとこっちも照れちゃうんだけど?!
『僕のこと大好きじゃんっ!』
照れ隠しにこの言葉を言ったはいいけど、この次にどうすればいいかわからずちらっと時計を横目で見るともう0時を超えていた。眠気に負けふわぁっと大きいあくびをすると、それにつられたのか赤葦もあくびをした。お互いの目が合いふふっと笑いあう。
『もう寝よーよ』
赤葦「他の布団ないんだよね、一緒に寝るので良いなら構わないけど…」
『一緒がいいよ、ねぇ早くこっちきて?』
赤葦「…ほんとこの人は」
赤葦はあきれたような照れたような顔をして椅子から立ち上がり、僕のとなりにごろんと横になった。ベッドはシングルだし2人で仰向けで寝るのには狭い。狭いから僕は赤葦に軽く抱きついた。
赤葦「ほら、またそうゆうことする」
『狭いからだよ』
赤葦はふーんといいながら僕の頭をぽんぽんっと撫でた。電気を消したその10分後うとうとしながらもまだ眠りについていない時のこと。
赤葦「…好きだよ、A。」
そう囁いた後に赤葦は僕の前髪を上げた。なんだろうと思ったその瞬間おでこにふわっとした感覚のものが当たる。僕が完全に寝てると思ってキスをしたみたいだ。びっくりして内心どきどき、心臓の鼓動の音がうるさくなる。体が熱くなってくのをじわじわと感じる。僕は寝たフリを続けた。
僕は赤葦が寝たって確信した後に赤葦のほっぺにキスをした。寝顔をじっと見つめると恥ずかしくなってきて、ぎゅっと赤葦の服に顔をうずめた。
柔らかい柔軟剤の香りが僕を包み込む。
『おやすみなさい』
ひとりごとのように呟いて、眠りについた。
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たばちゃ - 檑くんさん» ありがとうございます!!泣泣!これからもぜひ読んでいただけると嬉しいですっ=(^.^)= (2023年4月8日 19時) (レス) id: 8f198c86e4 (このIDを非表示/違反報告)
檑くん - めっちゃ良かったなんだろう凄すぎて泣けてきます(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`) (2022年6月9日 13時) (レス) @page13 id: b9a57fb77b (このIDを非表示/違反報告)
たばちゃ - めいさん» きゃぁぁ(/ _ ; )更新停止してしまい本当にごめんなさい、、。・゜・(ノД`)・゜・。それにも関わらずファンだなんて、、、めちゃめちゃ嬉しいです!!!ありがとうございます!!また読んで頂けたら嬉しいです〜!!! (2020年10月15日 21時) (レス) id: 83140cd721 (このIDを非表示/違反報告)
たばちゃ - 獅狼さん» コメントありがとうございます!期間空いてしまいましたが、楽しんでいただけるよう書きますので読んでいただければ幸いです !!!・:*+.\(( °ω° ))/.:+ (2020年10月15日 21時) (レス) id: 83140cd721 (このIDを非表示/違反報告)
たばちゃ - 狛犬@VIIさん» コメントありがとうございます〜!!!!!(;_;)(;_;)お待たせしてしまい申し訳ないです、、。更新ちょくちょくする予定なのでまた見に来ていただけるとめちゃめちゃ喜びます!!! (2020年10月15日 21時) (レス) id: 83140cd721 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:たばちゃ | 作成日時:2019年9月17日 5時