ねぇ、烏野に超絶可愛いジェンダーレス男子が来たらしいよ

19、それぞれの思い ページ21

白鳥沢学園にて
天童サイド



寮に戻ってガチャっと部屋のドアを開ける


「たっだいまー」

「遅かったな」


鼻歌歌ってると同室の牛島若利君が俺を見た


「機嫌いいな」

「あ、わかるぅ？」

「うむ」

「実はねぇ、なんか面白い子にあったんだよねぇ〜」


若利君は首を傾けた


「チョコのアイス奢ってあげたんだぁ」


「知らない人に奢ってはいけないと思うんだが」


若利くんはいつものように単調に喋る


「まぁそうかもしんないけどー」


俺はベッドに腰を下ろして頭をかいた


「なんかおごってあげたくなっちゃたんだよネ」


「……」


俺はビニール袋の中からプリンをふたつ取り出す


「…プリン買ってきたけど、若利くん食べる？」


若利くんはコクリと頷いてプリンを受け取った


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東京にて
？？サイド


ブーブーとケータイのバイブ音がなる
あ、電話だ
ゲームしてるのに…


「…なに、クロ」


明日合宿だからゲームしないで早く寝ろよって


「うるさいなぁ、わかってる……うん、うん。宮城県でしょ？…そういえばAって宮城に引っ越したんだよね」



そうだなってクロが答える
でも行った高校知らないし…
ケータイ変えたのか連絡つかないし



「なんか突然いなくなっちゃったからさ……寂しい…」



また幼馴染3人で遊びたいって
Aの父さんと母さんは芸能関係の仕事だからなかなか会えないしなってクロが言う



「うん。Aは部活入ってなかったけどみんなと仲良しだったもん。応援来てくれたり、差し入れ持ってきてくれたり、話し相手なってくれたり……いなくなってからAの大事さわかる……転校したって聞いて福永泣いてたし。特に犬岡とリエーフはやばかった」



そうそう！1年2人は収拾つかなかったし山本は元気なくて山本じゃなかったな〜ってクロが言う




俺たちは血液だってやつAとクロが考えたんだよね……最初は引いた




コーチも監督も寂しそうだった
つい最近だもんね。ひっこしたの。



最後にクロが早く寝るんだぞって言った



「…おやすみ」



電話を切って、Aと最後に会った日から既読すらついていないメッセージを見返した



小さい頃からクロとAと一緒だったし
お弁当も一緒に食べたり
Aは馬鹿だから勉強教えてあげたり



会いたいなぁ…




「………ねぇ、A。みんな寂しがってるよ」



ぼそっと独り言を呟いた

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