夢の在処【あんスタ】 (ページ5)

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｢あれ？先輩、引き受けてくれないんですか？｣

そんな声が後ろから聞こえたので振り返る。
するとそこには、現・演劇科生徒会長がいた。

｢ゆっちゃん、おい～っす♪｣

｢久しぶり...って程でもないか...。
輝夜ちゃん、その名前で呼ばないで.....｣

｢えー？ゆっちゃんはゆっちゃんじゃん｣

何処か不満気な輝夜の事はスルーして私は問うた。

｢.....これは貴方が？｣

｢そうですよ。
先輩が居てくれるのは有難いんですけど、
今年も留年されると困るので｣

にこやかに笑う彼女だが、
“早く出ていけ”と顔に書いてある。

｢老体を労わってくれてもいいと思うのだけれど｣

私が溜息をついて彼女を見れば、くすりと笑う。

｢此処に貴方が居ることによって、
保たれてきたものが崩れたら嫌でしょう？
今ぐらいから貴方のいない体制に慣れておかないと
来年も大変になってしまいますからね
いつまでも【女帝】様が
いられるような学科では無いので｣

｢そうね、
この学科には【魔女】も【道化】もいるもの。
二人でこの学科を導いてくれるのでしょう？｣

挑発をするように嘲笑うと彼女はムッとした。
そんな私達を横目に輝夜は拗ねたように言う。

｢二人だけで話さないでよね～？別に良いけどさ…
僕はつ～ちゃんと話しとくから.....♪｣

｢呼びましたね！？
輝夜に呼ばれるなんて何時ぶりでしょうかねぇ...？｣

｢あ、つ～ちゃん♪
相変わらず来るの早いねぇ.....♪
おい～っす♪」

ひらりと手を振る輝夜。

｢ふふふ、我が主か我が従姉妹に呼ばれると思い、
待機していたんですよ★｣

ふふん、と得意気に立っている彼女は私の妹だ。

｢お姉ちゃんには呼ばれないと思ってたんだ？｣

｢我が姉より我が従姉妹。
我が従姉妹より我が主の方が好きですから★｣

｢えー、僕が一番じゃないの～？｣

残念そうにする輝夜。
.....私の方が哀しいのだけれど。