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*

(SC side)

キーのその言葉にみんな何も言えなかった。話に出てくるのは少なかった。おじいちゃんとおばあちゃんは大阪ではなく、遠方に住んでいると言っていた。だから会うのは子供の頃から年1回あれば良い方で、それでもテレビ電話をしている様子や、コンサートにも来てくれていて。

HS「…A。帰ってもいいよ」

パフォーマンスチームのリーダーでもあるホシがそんなことを口にして。当たり前だけど、みんなも同じ意見だった。頷く弟組達に、キーの背中をさすったり、抱きしめメンタルケアをするお兄ちゃん組。

キーの表情は俯き、手で顔を覆うようにしていたからよく見えなかった。

SC「Aヤ。無理は言わない、今からだって遅くない」

そう言うとキーは顔を上げて、こちらを見つめる。キーはゆっくりと涙を拭い、真っ直ぐにこちらを見つめた。

『…………わたしは帰らないよ』
JN「でも…!」
『ここで帰ったら、おじいちゃんに怒られちゃう。おじいちゃんがね、アイドルしてるAを生で見たのは何回かしかないけど、それでも自慢の孫だって言ってくれたから。それに、わたしはプロだよ。舞台に立たなきゃ』

いつか、ステージに立たなくなったキーらしい返答だった。

WZ「………じゃあ、決まりだろ」
MG「失敗しないでよ〜?」
『あれ?なに?ミンギュはわたしが失敗すると思ってるの?』
SC「…よし、行くか」

キーの頭を大きく撫でて、雨の降るステージへ向かった。

ステージを終えて、次の日。キーは日本に帰って行った。『スケジュール調整してくれて、ありがとう』なんて、言って。帰ったキーの首元には小さなパールのネックレスが光っていた。

『おじいちゃんがわたしに買ってくれてたんだって。次のコンサートに来たら渡そうと思ってたって』

触れただけで壊れてしまうようなものに触れるように優しく触れて、嬉しそうに微笑んでいた。


***
以下、作者より。
リクエスト作品でした。ありがとうございます!
実はこのようなストーリーのお話を書いたことがなかったんです。時間軸としては、BE THE SUNのアメリカツアー前ぐらいを思ってもらえると良いかなと思います。あの時消化させていたと思っていたけど実際は消化させきれておらず、キーちゃんがバーンアウトしてしまった理由のひとつともなるかな、なんて後付けすぎる理由ですが…(笑)
リクエスト、ありがとうございました!

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設定タグ:SEVENTEEN , 紅一点 , ドギョム   
作品ジャンル:タレント
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yz_dk_(プロフ) - ちゅんさん» ちゅん様 暖かいお言葉をありがとうございます( ; ; )これからもどうぞ楽しく読んでいただけますと幸いです。よろしくお願い致します! (2月16日 14時) (レス) id: 20f64ffb2b (このIDを非表示/違反報告)
ちゅん(プロフ) - ほんとにキーちゃん大好きです…!これからもずっと楽しみに読ませて頂きます…! (2月12日 4時) (レス) id: 77831e5357 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:柚紀 | 作成日時:2024年1月22日 0時

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