買われた少女達はゆっくりでした。 (ページ11)

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8話○ ページ11

〜クロロ〜

『ソルちゃん！ねぇｯ、どうしたの？ソルちゃんｯ！！』

ﾊﾟﾀﾘと私に寄り掛かる様にして倒れ少しも動かないソルちゃんを見て脳が警報を鳴らし出す、只寝ているだけと分かっているのに.....嘗て私を置いて行った同胞の様で、、堪らなく嫌だった

『ソルｯ、ソルｯｯ、、！』

？｢あの子大丈夫か？｣
？｢狂信的な迄に信じてるんだと思うめぅ｣

？｢おい、ソイツは寝てるだけだ、、無理に揺らすな｣

視界の端で話す三人組を捉えたが私は決してソルから目を逸らさない、今目を離したら何処かに消えてしまいそうで怖かった

『ソルちゃ....置いてかないでｯ....』
『やだ、やだよぉっ.....』

？｢話を....｣

新しい主サマが私の肩に触れようとするのを叩き落とすと目を丸くした三人の人間が目に飛び込んで来た、誰であれ触るのはソル以外許さないから

『触んな.....ｯ、！これ以上私達に何をするつもりだっ、、！』

？｢っ....｣
？｢ありゃ〜これは予想以上に重症やね｣

？｢何もするつもりは無い、と先程も言った筈だが？｣
『嘘言え、君がソルになんかしたんだろｯ？！』

そうでなければ、そうじゃなきゃ可笑しい
あのソルが。ソルちゃんが、、泣く訳無いんだｯ、！
何時ぶりだろうか、声を張り上げ威嚇する様にそう叫んだ

初めてだった、あの子が泣いている所を見たのは。
てっきりあの子は私より何倍も何十倍も強くて泣かない子だと勘違いしてた
そんなソルちゃんが、彼の主サマの目を見て泣いた

ソルが安心して泣いてなんてずっと一緒に居たんだ一瞬で分かった、、でも目の前の人達を疑う事しか出来なかった

？｢君は、何か勘違いしている様だな｣
｢....人を疑い続ける事が守りじゃない、時に攻撃し信じる事が守る事になる場合もある。｣

『ｯ.....』

？｢ではもう一度君に問おう｣
｢我々の元に、仲間にならないか？｣

低く唸る様にして放たれた声は、とても主サマの表情とは似つかない程優しい顔をして居た

....嗚呼、そっか、、ソルちゃんもこんな気持ちだったのかな

『分かった、君らを信じてみる』
『だから、っ』

『私達を、もう、、裏切らないでｯ、！』

彼等の内の誰かが息を呑むのが聞こえた、今の私の表情なんて酷い物だと思う、、そんな事気にしない。
コレでソルちゃんがもう守り続けなくていいなら、ソルにも頼れる人が出来たなら

私はそれだけで十分なんだ

？｢勿論だゾ、仲間になる以上裏切る事はしない｣
｢俺は助けに来たんだからな！｣