episode34 オムライス ページ37
『…え、いいの?』
「…!おいおいおいおい??櫂???お前???」
「…?何を動揺している?1晩部屋を貸すだけだ。」
「にしてもよぉ?早すぎね?」
「…?」
『…?』
「(この天然ちゃんたちは〜〜〜〜!!!)」
「私は帰るわ。あとはよろしく。」
「あっ、コーリンちゃん!?」
三和は先に逃げたコーリンのことを少し恨んだ。
この二人の相手をしろって〜〜?無理だろこれ!天然×2なんて…俺の手には追えねぇ…。
あとは事後報告を待つしかないのかと半ば諦めている三和だが…
『…いいの?』
「…さっきからそう言っているだろう。付いてこい。」
『…!うん!』
「おっ、俺も〜〜今日は櫂の家に行きたい気分…てへぺろ☆」
「…は?」
「いっ、いいだろ?なっ?」
「ふん…勝手にしろ。」
櫂からの許しを得てホッとする三和であった。
・
「ここだ。」
『「うわ〜〜〜〜〜〜ひろ〜〜い」』
二人が口を揃えていうほど櫂が住んでいるマンションは大きかった。
FFビルとそんな変わらないんじゃないか…と思ったA。
どこから金が出てるんだ…と思った三和。
そんな二人に構わず櫂はズンズンと先に進む。
「ま、待ってくれぇ〜!」
・
『お邪魔します……き、っ。』
「綺麗…!!」
「…普通だろう。」
櫂の住む部屋は広く綺麗だった。とても一人暮らしだとは思えなくて…それでどこか…
寂しい、印象を受けた。
「…なにか食うか。作るぞ。」
「あ、手伝うぞ!」
『なんでもいいよ、櫂の好きなやつで。』
「…そうか。」
Aはその間にカードをいじっていた。
シャドウパラディンのデッキと、もうひとつ。
黒衣の戦慄ガヴリール。
…グレードも何も書いていない。能力だって。
もしかして…弱体してる?もし、私が本当の私を受け入れられたらこの子も…
私は、まだこの記憶を受け入れられずにいる自分に嫌気が差していた。
けれどもそれも今日で終わらせようとしていた。
Aの鼻がいい匂いを捉えた時には料理は目の前にあった。
「…カードをしまえ。食べないのか?」
『たっ、食べるって!』
「へへっ、結構力作だぜ!」
「お前は何もしてないだろう。」
『…わぁ……オムライス!』
「お前、オムライス好きだっただろ。」
その言葉にAは驚いた。
五年も昔のことを今まで覚えていてくれたのか。
そう思うと心が暖かくなる気がした。
ありがとう、櫂。
Aはオムライスを口へ運んだのだった。
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蘭子@気まぐれ屋(プロフ) - ユリさん» 確認が遅くなり申し訳ありません。質問はご自由にどうぞ! (2021年3月23日 1時) (レス) id: f049fc72a2 (このIDを非表示/違反報告)
ユリ(プロフ) - 蘭子さん» 質問いいですか? (2021年2月13日 19時) (レス) id: 1f8411eea9 (このIDを非表示/違反報告)
蘭子(プロフ) - 桜♪さん» ありがとうございます!ゆっくり読ませて頂きます! (2017年12月4日 23時) (レス) id: 3a1167d91d (このIDを非表示/違反報告)
桜♪ - 蘭子さん» いえいえ! 私の作品の題名は、[ヴァンガード] クロノ達の仲間だった!? [GZ編] と言います。 (2017年12月4日 22時) (レス) id: 76272ba197 (このIDを非表示/違反報告)
蘭子(プロフ) - 桜♪さん» コメントありがとうございます!とても嬉しいです!体のお気遣いまでして下さって…感謝します!そして桜さんの小説すごく気になります!よろしければ題名を教えて貰っても構いませんか? (2017年12月4日 22時) (レス) id: 3a1167d91d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蘭子 | 作成日時:2017年11月29日 0時