episode 33 喝 ページ36
「お前は自分に力があることを知っていた…それでも止めなかったのはなぜだ、ズルズルとここまで引きずっておいて俺に物申すか?巫山戯るな…」
『力が発現したのはつい最近のこと…だよ』
「お前はヴァンガードから逃げた。」
『…!』
「お前はヴァンガードから逃げ、レンから逃げ、自分から逃げた!」
『やめて…』
それ以上は…
「お前は逃げていただけだ。雀ヶ森A。その始末を他人に押し付けいいご身分だな?どうだ、自分のしでかした後始末を他人にさせる気分は。」
『…』
「最悪、だろうな。お前の顔を見ればわかる。」
気づくと大粒の涙が私の両目から流れ出ていた。
叱られることなんて今まで無かった。
私に直接本当のことを言ってくれる人はないなかった。
けれども櫂はハッキリ私のふがない所を指摘してくれた。
「お前はこの後放っておくと自分のしたことに対しての自己嫌悪で潰れる。それは目に見えている。だから敢えて言うぞ
____何を抱え込んでいようが関係ない。お前はこれからを仲間と共にする権利があるんだ。だから泣くな、A。もう…心で泣いたりするな。」
私が転生したガブリエルだということは櫂はおろか誰にも話していない…筈なのに。
『櫂には…分かっちゃうのかなぁ…。』
櫂は、分かってしまうのか。
『私…櫂に助けてもらってばかりだね。恥ずかしい…』
「恥じる必要などないだろう?俺はそのデッキをお前に使わせたくないからな、そのためなら何でもする。」
『…櫂には適わないや。』
私はファイトモーションシステムの手袋を取り外した。
ファイトは中断した。
もう夜遅く顔もぐしゃぐしゃ、とてもではないけど続けられる状態じゃなかった。
「…A」
『ん…?』
「お前、一人で帰れるのか。送ってくぞ。」
『ん…んー……』
私は少し躊躇った。
帰りたくない…。
そんな雰囲気を察したのか櫂があろう事からしくもないことを口にした。
「___俺の家にくるか?」
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蘭子@気まぐれ屋(プロフ) - ユリさん» 確認が遅くなり申し訳ありません。質問はご自由にどうぞ! (2021年3月23日 1時) (レス) id: f049fc72a2 (このIDを非表示/違反報告)
ユリ(プロフ) - 蘭子さん» 質問いいですか? (2021年2月13日 19時) (レス) id: 1f8411eea9 (このIDを非表示/違反報告)
蘭子(プロフ) - 桜♪さん» ありがとうございます!ゆっくり読ませて頂きます! (2017年12月4日 23時) (レス) id: 3a1167d91d (このIDを非表示/違反報告)
桜♪ - 蘭子さん» いえいえ! 私の作品の題名は、[ヴァンガード] クロノ達の仲間だった!? [GZ編] と言います。 (2017年12月4日 22時) (レス) id: 76272ba197 (このIDを非表示/違反報告)
蘭子(プロフ) - 桜♪さん» コメントありがとうございます!とても嬉しいです!体のお気遣いまでして下さって…感謝します!そして桜さんの小説すごく気になります!よろしければ題名を教えて貰っても構いませんか? (2017年12月4日 22時) (レス) id: 3a1167d91d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蘭子 | 作成日時:2017年11月29日 0時