episode30 信頼 ページ33
「いや…助けてぇっ！！！」
「ファントムブラスタードラゴンで、ヴァンガードにアタック！！」
「いやぁぁぁぁっ！！！」
思わず目をそらしてしまった。
むごい。そう思ったからだ。
あそこにいるアイチはアイチでは無い。闇の部分が表に出た状態。
そう…兄さんのような、闇の部分。
力を求めるその姿は見ていて見苦しいものだった。
「彼のPSYクオリアは確実に強くなってる…さぁ、どんどん力を求めていくのです…アイチくん…フフ…アハハ…」
『私は…』
ここで口出しをして何が変わるというのか、馬鹿か私は！
誓約に触れるかもしれないと言うのに！
私に出来ることは…
『……私には過ぎた話です。』
自分を、偽ることだ。
兄さんの前ではこれしか出来ない。
裏でアイチを救おうとしていることに気づかれてはならない！
『…私はしばらくファイトには出ません。では』
「……そう、ですか。」
部屋から出て猛ダッシュでウルトラレアの個室へと向かった。
ウルトラレアはこの大会にも参加しているに違いない。
どこだ、どこだ！
「っあ！」
『わぁっ！す、すみませんっ！』
「ちゃんと前向いて……ってA？」
『み、ミサキさん！』
「アンタ、ここ暫く顔みてなかった気がするよ。元気だった？」
『……大切な人が元気じゃないので私もそれに影響されて…正直少し気分悪いです。』
「……最近アイチがおかしくなってるのに、気づいてる？」
私はあえて偽ることにした。
『…いいえ』
「…そう。しっかり休みなよ。何事も体調から、ね？」
『…はい。』
ごめんなさいミサキさん…
ごめんなさい…！
私はいつもそう、自分を偽り他人の目ばかり気にして…だから八方美人なんて言われる。
本当に受け入れてくれたのは櫂だけ＿＿＿＿
違う！
私にはもう…仲間がいる！
『ミサキさん、アイチに伝えてくれませんか。』
「…？」
『２日後、裏闘技場でアイチを止めて見せます。見届けて…ください！』
もう、同じ失敗は繰り返さないと誓おう。
私に力を…頂戴。
「…分かった。伝えておく。ありがとう、ちゃんと話してくれて。」
微笑むと、ミサキさんは医務室へ向かった。
『ふぅ〜〜…』
ちゃんと話せた…けど喜んでる暇なんかない。
きっと今頃…コーリンが櫂と戦っているはずだ…。
コーリン……
・
「……なるほどAがそう言ったのか…いいだろう」
「…ファイトよ、櫂トシキ。あなたの力、試させてもらう！」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 33人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
蘭子@気まぐれ屋(プロフ) - ユリさん» 確認が遅くなり申し訳ありません。質問はご自由にどうぞ！ (2021年3月23日 1時) (
レス) id: f049fc72a2 (このIDを非表示/違反報告)
ユリ(プロフ) - 蘭子さん» 質問いいですか？ (2021年2月13日 19時) (レス) id: 1f8411eea9 (このIDを非表示/違反報告)
蘭子(プロフ) - 桜♪さん» ありがとうございます！ゆっくり読ませて頂きます！ (2017年12月4日 23時) (レス) id: 3a1167d91d (このIDを非表示/違反報告)
桜♪ - 蘭子さん» いえいえ! 私の作品の題名は、[ヴァンガード] クロノ達の仲間だった!? [GZ編] と言います。 (2017年12月4日 22時) (レス) id: 76272ba197 (このIDを非表示/違反報告)
蘭子(プロフ) - 桜♪さん» コメントありがとうございます！とても嬉しいです！体のお気遣いまでして下さって…感謝します！そして桜さんの小説すごく気になります！よろしければ題名を教えて貰っても構いませんか？ (2017年12月4日 22時) (レス) id: 3a1167d91d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：蘭子 | 作成日時：2017年11月29日 0時
