episode26 決意 ページ29
『転生…』
「転生、それは魂の変換。けれどもそれは他ならず、自分の魂で行われる。記憶が違うけれどね…でもまさか人間だとはガブリエル本人も思っていなかっただろうね。
誓約というものは転生の時に必ずかけられるものだってガブリエルが言っていたよ。」
『…迷惑よ。』
「…」
Aは叫んだ。
『私は…私は雀ヶ森Aよ!何故…なぜ私なの…私は…ガブリエルなんかじゃない!』
「ガブリエルはあるきっかけがないとその魂を覚醒させることが出来ないと言っていました。何か心当たりがあるのでは無いですか?」
『きっかけ…』
少し、考えた。
と、思い出した。
『蒼……蒼い、目。』
あの日、あの時。
アイチと出会った、あの時に。
強い衝撃、自分の殻が破れた感覚。
あれがそうだと言うのか。
タクトはそのまま話を続けた。
・
そのひと月後、ガブリエルの力を我がものにしようとロイヤルパラディンとシャドウパラディンの戦いが始まった。
それはロイヤルパラディンのブラスターブレード、シャドウパラディンのブラスターダーク、二者のエゴと言ってもいい戦いだった。
二人のあいだに因縁があることもあったためかもしれない。
二人は、争った。
だがその争いは長く続かなかった。
それはガブリエルの手によって閉ざされた。
戦争の最中、ガブリエルは転生を行いその場から消えた。それを見届けたのはガブリエルの写身とも言える熾天使、ガヴリールだ。
ガヴリールはロイヤルパラディン、シャドウパラディンの騎士達にガブリエルが消えたことを伝え、休戦とした。
・
「だが、その争いは別の目的でまた行われようとしている。」
『ヴォイドがクレイへと侵略し始めた…?』
「そう、先導するクランはどのクランなのか争い始めた。
総じて、熾天使ガブリエルだった者、雀ヶ森Aに伝える。これは願いだ。地球の先導者を導くものとして深入りはしないでもらいたい。誓約を破れば君は…"一番大切な人の記憶"が無くなるのだから。」
すべて合致が言った。
この記憶も、私の力も、このカードも。
…ガヴリールは私が心配で…。
私は前を向いた。
『自分可愛さに自分の意思を曲げたりしない。私なら、そうする。』
真っ直ぐ前を見据えた。
私はもう迷ったりしない。
私は、私だから。
ガブリエルだったことなんて関係ない。
櫂も、アイチも、兄さんも皆も私の大切な人なのだから…
「交渉は…決裂ですか。」
33人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
蘭子@気まぐれ屋(プロフ) - ユリさん» 確認が遅くなり申し訳ありません。質問はご自由にどうぞ! (2021年3月23日 1時) (レス) id: f049fc72a2 (このIDを非表示/違反報告)
ユリ(プロフ) - 蘭子さん» 質問いいですか? (2021年2月13日 19時) (レス) id: 1f8411eea9 (このIDを非表示/違反報告)
蘭子(プロフ) - 桜♪さん» ありがとうございます!ゆっくり読ませて頂きます! (2017年12月4日 23時) (レス) id: 3a1167d91d (このIDを非表示/違反報告)
桜♪ - 蘭子さん» いえいえ! 私の作品の題名は、[ヴァンガード] クロノ達の仲間だった!? [GZ編] と言います。 (2017年12月4日 22時) (レス) id: 76272ba197 (このIDを非表示/違反報告)
蘭子(プロフ) - 桜♪さん» コメントありがとうございます!とても嬉しいです!体のお気遣いまでして下さって…感謝します!そして桜さんの小説すごく気になります!よろしければ題名を教えて貰っても構いませんか? (2017年12月4日 22時) (レス) id: 3a1167d91d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:蘭子 | 作成日時:2017年11月29日 0時