episode23 蒼き翼 ページ26
「無力な者に絶望を…そして力あるものにすべての栄光を!」
『っあ……』
「ふんっ…笑っちゃうわね。シャドウパラディンのデッキを使うだけで強くなれると思うなんて!」
開口一番は三人いるアイドルユニットウルトラレアの中でスイコとはまた違う雰囲気を纏った大人びた女性だった。
だがアイチは口を開かない。
「…あっそ…じゃあ私とファイトすれば?そんなデッキじゃ強くなんかなれないって!やるの?やらないの?」
「…お付き合いしますよ。」
その笑みは兄さんのものとそっくりで。
私はその場から耐えられなくなった。
さっき脳内に響いた声…力を行使したものと考えられる。私は感覚を集中させ、奥に強い気配を感じた。
恐らく、立凪財閥総帥…立凪タクトのものだろう。
私は奥の部屋へと走った。
前に案内された場所と同じ重たい扉を開いて叫んだ。
『私を止めたのは何故なの!答えなさい!立凪タクト!!』
そこには人影はなかった。が、力だけが微かに漂っていた。
「…言ったはずです。邪魔だと。」
『戯れ言を…!』
「少しずつは思い出してきているようですか?熾天使ガブリエル…」
『!やっぱり…あなたは私の正体を知っているわね?』
最初出会った時から不思議なやつだとは思っていた。
あの頭痛も、きっとPSYクオリアの副作用…。
だからだ、こいつが私を邪魔とするのは。
私は…
「誓約。貴女は誓いましたね?熾天使ガブリエルはとある誓約を誓った。それは…」
そう、天使には誓約が課せられる。それは高位な天使であるほど破った時重い罰を敷かれる。
私がガブリエルであったときユナイテッドサンクチュアリで誓った一つの誓約。
転生を決意したあの日とともに誓ったもの。
『地球の先導者同士に直接関与してはならない。』
「そう。だから僕はあなたを邪魔者扱いし先導者同士から遠ざける予定でした。
しかし貴女はあろう事か先導者に近しい立場として転生を果たした。…皮肉なことだ。」
『…熾天使の特権。』
…忘れていた、そんな誓約。
ガブリエルは…何を…
「見たところ貴女は混乱しているようだ。なら…話しておく必要がありましょう。」
と、PSYクオリアが発動し周りの風景がクレイへと塗り替えられていく。
「ここなら、誰にも邪魔されません。」
『…なら聞かせて。私の、私の全てを!』
____蒼き翼の創世記が今、語られる。
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蘭子@気まぐれ屋(プロフ) - ユリさん» 確認が遅くなり申し訳ありません。質問はご自由にどうぞ! (2021年3月23日 1時) (レス) id: f049fc72a2 (このIDを非表示/違反報告)
ユリ(プロフ) - 蘭子さん» 質問いいですか? (2021年2月13日 19時) (レス) id: 1f8411eea9 (このIDを非表示/違反報告)
蘭子(プロフ) - 桜♪さん» ありがとうございます!ゆっくり読ませて頂きます! (2017年12月4日 23時) (レス) id: 3a1167d91d (このIDを非表示/違反報告)
桜♪ - 蘭子さん» いえいえ! 私の作品の題名は、[ヴァンガード] クロノ達の仲間だった!? [GZ編] と言います。 (2017年12月4日 22時) (レス) id: 76272ba197 (このIDを非表示/違反報告)
蘭子(プロフ) - 桜♪さん» コメントありがとうございます!とても嬉しいです!体のお気遣いまでして下さって…感謝します!そして桜さんの小説すごく気になります!よろしければ題名を教えて貰っても構いませんか? (2017年12月4日 22時) (レス) id: 3a1167d91d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蘭子 | 作成日時:2017年11月29日 0時