復讐9 ページ10
『あの、お館様…』
遠慮がちに口を開くA。
お館様は何も言わずにその言葉に耳を傾けた。
『確かに、百合香さんは許されないことをしたと思います。それによって実際に人が死んでいます!ですがッ!亡くなった、結菜ちゃんのお父さんが言っていたんです。“復讐しようなんて考えてはいけない”と。』
結「……ッ、」
『結菜ちゃんのお父さんは、自分の死によって、さらに犠牲者を出したくないんです!だから、百合香さんのことは…』
百「…ッ!」
お館様「そうか。結菜もそれでいいかい?」
結「はい。お父さんの最後の望みなので。」
お館様「…分かったよ。被害者であるAと結菜が言うなら仕方ないね。」
その言葉に他の柱は驚きを隠せないでいた。
お館様「…が、一般人を盾にした罪は重い。よって、闇柱という称号を奪取し、階級を“癸”とする。以上で柱合裁判を終わるよ。」
それだけ言ってお館様はその場を去っていった。
***
行「まさかAが被害者だったとは…」
杏「うむ!これまで気づけなかったとは、仲間として不甲斐なし!」
無「どうしてそんな酷いことが出来るの?君本当に人間?」
百「っ…」
天「これからは、影で地味に生きていくんだな」
実「…ま、自業自得だろォ」
トゲのある言葉が百合香の心を痛い程えぐる。
その罵声が暗雲のように百合香の頭上にずっしりと圧し掛かった。
声が出ない程打ちのめされた百合香を取り残し、柱達はその場から去っていってしまった。
***
百「い、今まですいませんでしたッ…!」
そう言って百合香さんは私に深く頭をさげる。
…流石に改心したのかな。
まぁ、あれだけ言われたらそうなるよね、、
『百合香さん!別に良いんですよ!こうやって謝ってくれたんですし…
もう私は気にしてません!』
百「…そう、貴方は本当に優しいんですね。」
『!いえ、優しいなんて…!私は、結菜ちゃんのお父さんが百合香さんの死を望んでいないと思ったからです。優しいのは、私じゃなくて、結菜ちゃんのお父さんですよ。』
百「ゔっ…ありがとう、A“さん”」
私は百合香に向かって腕を広げる。
ポンポンと背中をなでてあげると嗚咽をあげて泣きだした。
『どうぞ、落ち着くまで泣いても良いですよ』
・
・
『…なーんてね?』
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アミ(プロフ) - 東雲さん» リクエストの作品、「次はあんたの番だよ 弐」という題名で出させて頂きました。楽しんでいただければ幸いです! (2021年10月17日 12時) (レス) id: d1ce3b19d9 (このIDを非表示/違反報告)
アミ(プロフ) - 東雲さん» リクエスト、ありがとうございます!勿論いいですよ〜!遅くなるかもしれませんが、楽しみにしていてください! (2021年10月16日 19時) (レス) id: d1ce3b19d9 (このIDを非表示/違反報告)
東雲 - とても面白かったです〜!!悪女主ちゃん、カッコ良かったですね(*´∇`*) リクエストで、無一郎くん落ちの悪女主ちゃん作品作れますでしょうか…?出来ればで大丈夫です! (2021年10月16日 17時) (レス) @page20 id: abe341e2f5 (このIDを非表示/違反報告)
アミ(プロフ) - ゆりさん» こちらこそ、最後まで見て頂けてありがとうございます!とても嬉しいです! (2021年10月11日 21時) (レス) id: d1ce3b19d9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆり - すごく良かったです。ありがとうございました。 (2021年10月11日 17時) (レス) @page24 id: b7d6d649b3 (このIDを非表示/違反報告)
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