らくだい魔女と恋物語5 (ページ19)

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夏祭り　　カリン&カイ3 ページ19

～カリン～

やっと聞こえたカイ君の声。

ご…めん…？

カイ「今の、聞かなかったことにしてほしい｣

え、それって…

うそでしょ…？

それって、私のことが好きじゃないってことだよね。

今すぐに、うそだよ！って言って欲しかった。

悲しいよ…

…言わなきゃ良かった。

分かってた。

どうせ、私なんかがカイ君の彼女になれる

はずないって。

なのに、なのに…

なんで告白したんだろう…

フラれてもいいじゃない。

さっきまでの前向きな気持ちは消えていた。

悲しくて、辛くて。

私の瞳に涙がこみあげてきて。

ちょっとでも力を抜いたら泣いちゃいそうで。

今すぐ、この場を去りたいって思った。

カイ君と一緒にいるのがどうしようもなく

辛くて。

もう、カイ君と会うのはやめよう。

そして、話すことも。

私がそう思ったとき。

カイ「こういうときは、男のオレから言わなき

　ゃいけないのにな。｣

え？と思った。

何のことだろう。

もう私は、カイ君にふられたのに。

それに、カイ君、今オレって…

私がぽかんとしていると、カイ君が私の前に

ひざまずいて、そして。

カイ「オレもカリンのことが好きでした。

　付き合ってください。｣

そう言ってカイ君は私に手を差し伸べてきた。

うれしかった。

色んな感情、思いが浮かんでぐちゃぐちゃに

せめぎあう。

うれしくて、うれしくて。

カイ君は、ちゃんと私のことを好きでいてくれた。

こんな私なんかのことを。

次の瞬間、私の目から、涙がこぼれ落ちた。

ひとすじ、それからとめどなく。

カイ「いいかな…？｣

私の顔をみつめながら、カイくんが優しく

問いかける。

その間も涙は流れ続ける。

カ「は…い…｣

私は、カイ君が差し伸べてくれた手を

とって言った。

とても小さくて、弱々しい声だったけど、

しっかりと返事をして、はっきりとうなずいた