らくだい魔女と恋物語5

幸せ ページ13

〜フウカ〜


フ｢セシル〜、髪結んで〜。」


セシル｢まぁ、姫様いつもならわたしにそんなこ

　 と言いませんのに！

　 あ、もしかして夏祭りだから張り切って

　 るんですか？」


フ｢ん？ まあね。」


セシル｢それとも…」


セシルがあたしの耳元でコソッとつぶやく。


セシル｢チトセ様の彼女になったからですか？」


セシルはあたしのきれいに着飾れたゆかたを見

て言う。


フ｢んな、そんなんじゃないよ！///」


セシル｢だって、姫様いつもはオシャレに興味

　 なんてないのに。」


セシルは花の飾り物をあたしの髪につけながら

言う。


フ｢今日は夏祭りだからオシャレするだけで

　チトセとは何も関係ないし…」


あたしは消え入りそうな声でつぶやいたから

自分でも最後は何を言ったのか分からないほど

だった。


でもセシルにはちゃんと聞こえたみたいで


セシル｢姫様が幸せそうにしているのを見ると

　 セシルまで幸せになってきます。」


セシルは目元をそっと手でぬぐう。


そのとき、何かキラリと光るものが見えた。


セシルもしかして…


セシル｢さぁ、姫様できましたよ！」


フ｢わぁ〜、かわいい〜！」


セシルはサッと笑顔を作ると


セシル｢それでは姫様いってらっしゃいませ！」


と元気よく言った。


セシルのそんな笑顔を見ているとさっきの事は

なんだかどうでも良くなってきた。


フ｢うん、行ってきます！」


あたしはホウキをだして窓から飛び立つ。


そのとき、


セシル｢姫様の幸せがセシルの幸せですからね」


と言う声が聞こえた気がした。



　

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