らくだい魔女の恋物語4 (ページ33)

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元気でねページ33

～フウカ～

フ｢お腹いっぱ～い！」

カ｢お前そんなに食べたら太るぞ？」

フ｢はああぁぁああ！？」

シロ｢フウカ殿！」

大声をあげたあたしをあわててシロがなだめる

ビ｢このくだり何回目？」

カ｢あはは…」

チ｢…」

カリンとビアンカちゃんは苦笑い、チトセは

無表情、シロは困り顔、あたしはイライラ。

なのにカイはマリアンヌをなでながら口笛なん

て吹いている。

ムッカーー！

あたしが何気なくビアンカちゃんの方を

振り向いた。時だった…

ビアンカちゃんが悲しそうな表情でうつむいて

いた。

フ｢ビアンカちゃん…？」

あたしの声にみんなの視線がビアンカちゃんに

集まる。

カ｢どうしたのぉ？」

チ｢具合、悪いのか？」

いつもは元気なシロもなんだか悲しそう。

カイ｢どうしたんだよ？」

ビ｢だってぇ、フウカちゃん達が今日で帰っちゃ

　うんだも～ん！」

　
ビアンカちゃんはそう言うと手で顔をおって

泣き出した。

フ｢あ…」

そっか。

そうだった。

ビアンカちゃん達といるのが楽しくて帰る事を

忘れてた。

全｢…」

フ｢でもさ、もう二度と会えない訳じゃないじゃ

　ん？」

ビ｢！」

フ｢またいつか水の国に遊びに行くからさ？」

ビ｢ほんと？

　絶対だよ！約束して！？」

フ｢もちろんっ！」

それから、あたしたちは少し話した後、帰る

準備をした。

シロ｢馬車が来ましたよ！」

シロの言葉にあたしたちは顔を見合わせる。

ビ｢元気でね、フウカちゃん！」

フ｢うんっ！」

あたしたちの乗った馬車がゆっくりと動いて

いく。

だんだんとビアンカちゃんの姿が小さくなって

くる。

ビアンカちゃんが大きく手をふる。

あたしはそれにこたえるようにビアンカちゃん

に向かって手をふりかえす。

ビアンカちゃん、元気でね。

そう思いながら。