らくだい魔女と恋物語3 (ページ33)

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パパからの贈り物ページ33

～フウカ～

そういえば、小さいころにママに言われたんだ

っけ？

あれはたしか、あたしの誕生日。

ママ｢フウカは、誕生日プレゼントに

　何がほしいんだ？」

いつもママは仕事で忙しいから、めずらしい質

問だった。

あたしは、誕生日だったら何でもくれると思っ

ていたからこう言ったの。

フ｢ママと同じ、銀色の髪！」

ってね…

そしたら、ママは一瞬悲しそうな顔をしたけど

またすぐ笑顔にもどって、こう言ったんだ。

ママ｢フウカの金色の髪は、パパからの

　贈り物なんだぞ。」

フ｢パパからの？」

ママ｢そうだ、パパがフウカだけにくれた贈り物

　だよ。

　フウカがパパの娘という印なんだ。」

フ｢わあ…」

ママ｢だから二度と金色の髪がキライだなんて

　言わないんだよ。」

ママがそう言ったから、もう金色の髪がキライ

なんて言わなくなったけど、時々思うんだ。

金色の髪なんてだいっきらい！って。

周りから呪われた金色の髪なんて言われた時は

よく銀色の髪だったらなとか思う時もあった。

あたしって、最低だよね。

ママとの約束を破って、パパからの贈り物を

にくむなんて。

そんな自分がイヤでイヤで仕方なかった。

もしも、もしもあたしが銀色の髪だったら、

カンガバールやクビトにおそわれたり

みんなも苦しい思いをせずにすんだよね。

あたしってダメダメじゃん。

ん？

じゃあなんで生き返ったの？

ア｢フウカちゃんならきっとクビトをたおせるは

　ずよ。がんばってね、信じてるから。」

チ｢お前だけあきらめてどうすんだよ。

　みんな一生懸命なんだから。」

アメリダさんとチトセの言葉が頭をよぎる。

答えはきっとこう。

クビトをたおして、みんなと一緒にビアンカち

ゃん達の所へ戻ること。

それがあたしの生き返った意味。

アメリダさんの努力を無駄にはさせない。

絶対クビトをたおしてやる！

あたしは、笑い声をあげている目の前のクビト

をにらみつけた。