らくだい魔女と恋物語3 (ページ32)

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苦しむ姿ページ32

～フウカ～

セピア色の景色がだんだん色を取り戻していく

ク｢はやく決着つけないと…って、え！？

　おねーちゃん何で生きてんの？」

クビトはそう言って、あたしの体を調べるよう

にして、じろじろ見回す。

ク｢ゆうれいじゃないっぽい…」

フ｢なによ！何か文句あるワケ！？」

　
ク｢ん～。大ありだね。」

フ｢はぁ！？」

なによ、コイツ！

どこまでも腹立つヤツだわ！

チ｢おい、こんなヤツと関わったら時間が

　いくらあってもたりないぜ？」

そうだよ！

今は生きてるとか生きてないかより、

クビトをたおすことが先なんだ…

あたしったら、こんな子供の相手なんてして

バッカみたい！

集中、集中…

ク｢…ふ～ん、おねーちゃんぼくの事たおそうと

　してるんだ～。

　じゃ、やってみなよ。」

そう言うと、クビトの体がムクムクと不自然に

ふくらんできた。

何これ！

前にも増して、大きくなってる！

ク｢ど～お？

　強そうでしょ～？

　ぼくを存分に楽しませてね♪」

うそ…

どうしよう…

ク｢まずは、邪魔者から始末するべきだね～」

！

すると、クビトの背中からもう1本の手が

伸びてきて、キースをギリギリとしめつけた。

カ｢きゃあ！」

カイ｢カリン、こっち！」

ク｢おや、そうはさせないよ～」

カリンを連れていわかげにかくれようとする

カイをいとも簡単につかまえて、左右に

勢いよくふる。

マリ｢なあーお」

フ｢マリアンヌ！」

あたしは、カイの肩からすべり落ちたマリアン

ヌをギリギリで受け止める。

チ｢フウカ！」

フ｢え？」

上を見上げると、クビトがあたしに

手をふり下ろすのが見える。

もうダメだ…

あたしがマリアンヌを抱えてうずくまったとき

チトセがあたしの上におおいかぶさった…と

おもったら、クビトはそのままチトセを

にぎりしめて、青空に高らかに持ち上げた。

カ｢うぅ…」

チ｢ぐっ…」

カイ｢っ…」

キ｢ゴホッ、ゴホッ…」

カリン、チトセ、キース、カイ…

どうしよう…

もしも、もしもあたしが、ママと同じ銀色の髪

だったら、どうだったんだろう？

クビトや、カンガバールにおそわれて、

みんなも苦しい思いをせずにすんだよね。