拾参 ページ14
百「昔、私には妹のように可愛がっていた仲のいい友達がいたの。
でも、その子と思いを寄せている人が被ってしまって…
そんな私に敵意を抱いたのか、その子は私を殺そうとまで考えていたの。」
『は…？』
思わず口から零れた言葉。
それはコイツが私にしたことなのに。
そんな私に構わず、百合香は続ける。
百「酷いでしょ？その後、思い人が鬼に殺されてしまったの。
何を思ったのかは分からないけど、その子ったら、私が殺したって言い張ったの。」
『…ッ！』
全て、百合香が私にしてきたことだった。
この女は、私が深く傷ついたことを知っていてもなお、全く反省などしていないのだ。
分かっていた。そんなことは。
でも、いざ面と向かって言われると、やはり怒りの感情が芽生えてくる。
百「でも、如何して…信じてたのに。
家族のように大切に思っていたのは私だけなのかなぁ…」
そう言ってぐすんぐすんと泣き真似をする百合香に嫌気が差した。
怒りのあまり、握りしめた拳が震え、こめかみから汗が噴き出す。
百「その子、Aちゃんと同姓同名で、まさかとは思ったけど…。
そんな心配要らなかったわ。だって、こんなに可愛くて優しい子があの子なわけないもの！」
そう言って笑顔で私の手を握る百合香に鳥肌が立つ。
あまりの不快感に思わず後ずさった。
此処にいてはいけない。
このままでは、怒りを制御出来ず、百合香に何をするか分からない。
＿＿＿＿＿＿逃げろ
本能がそう言った。
『…すいません、用事を思い出したので。』
そう言って、私は百合香の手を振り払い、足早にその場を去った。
『はぁッ、はぁッ…』
荒く息をしながら、百合香に握られた手を洗い流す。
何度も何度も洗っているのに何故か汚れが取れないような気がした。
早く霞柱邸に行かなければ。
【私が殺したって言い張ったの】
脳裏に百合香の言葉がよぎる。
【如何して、信じてたのに…】
ズキンと頭に刺すような痛みが走る。
『う゛っ…』
頭を抱えて膝から崩れ落ちる。
自分でも感情をコントロール出来ていないことが分かった。
落ち着いて、落ち着くのよ、A。
『はぁ…ッ』
呼吸を整えて。ゆっくり。
取り乱すな。
『ふぅ…』
何とか深呼吸をし、心を落ち着かせることが出来た私は、壁についていた手を離し、体勢を元に戻す。
そして、何事も無かったかのようにして霞柱邸へと向かった。
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ゆめっち♪ - 完結おめでとうございます！オチは杏寿郎さんがいいです！ (2022年1月8日 15時) (
レス) id: 2aa09168c0 (このIDを非表示/違反報告)
アミ(プロフ) - ののか❁さん» わ〜！ありがとうございます！冨岡さんですね、OKです！ (2022年1月8日 15時) (レス) id: af4182423c (このIDを非表示/違反報告)
ののか❁ - 今日この作品を見つけて一気見しちゃいました〜！面白かったです！オチは冨岡さんがいいです！投票日に間に合って良かった〜！笑 (2022年1月8日 14時) (レス) id: 2aa09168c0 (このIDを非表示/違反報告)
流希愛 - 続編作って下さるなんて感激です〜！オチは煉獄さんがいいかなと思います♪ (2022年1月8日 14時) (レス) id: 2aa09168c0 (このIDを非表示/違反報告)
りぃな - 完結おめでとうございます！今回も面白かったです✨冨岡さん希望です！ (2022年1月8日 13時) (レス) id: 2aa09168c0 (このIDを非表示/違反報告)
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