11つの光 ページ12
恵くんと知くんがこの家を去ってから三日が経つ。
私はほとんど寝室のベットに横になって過ごしていた。
恵くんと知くんに何もしてあげられない自分が情けなかったからだ。
警察にも何度か電話をしてみたが全く相手にしてくれない。
食欲がない為、三日間ほとんど水しか口にしていないので冷蔵庫から取り出したりんごを食べる。
ふと目をやると机の上にイヤホンが置かれていた。
…そういえば、最近Uの世界に行っていない。
竜と話せば少しは気が楽になるかもしれない。
そう思った私はイヤホンを装着し、ゆっくりと目を閉じた＿＿＿＿。
＊＊＊
『竜？』
私が城につくと竜はいつも優しく出迎えてくれるのに、今日はそれがない。
不思議に思いながらもさらに奥に進むと夜空を見上げる竜の姿があった。
何故かその背中はとても寂しそうに見える。
私が竜の近くに行っても反応がない。
最近姿を見せていなかったから拗ねているのだろうか。
それとも気づいていないだけ…？
竜「カレン。」
竜がそう私の名前を呼ぶ。
なんだ気づいていたのか。
そうなら声を掛けてくれればいいのに。
『竜。ごめんね。最近忙しくてなかなか来れなかったんだ。』
私が謝ると、そんなことは気にしていないとでも言うように首を横にふる竜。
竜「カレン。相談があるんだ。」
『なに…？』
私は竜に言葉を返して竜の隣に座る。
竜「もし君が大切な人に二度と会えないとしたら、どうする？」
竜にしては珍しく真剣な表情で言った。
『会いに行く。』
竜「え…？」
『その人がどれだけ遠くにいても関係ない。
会えないなんて、考えたくない。』
私も同じ状況でずっと気が沈んでいるが、竜にはそんな思いをさせたくなくてそう言った。
竜「…そうか。俺はそれが出来ないから来てくれるのをずっと待ってるんだ。
でも、なぜか来てくれない。僕には知くんとあの人しかいないのに。」
え？今なんて…
ふと目をやると、そう言う竜の手は震えており、何かを握っていた。
それは、赤色のバラのキーホルダーだった。
『それ…』
竜「これは、大切な人にもらったんだ。」
『それ、どこで…』
いや、まさかな。そんなはずはない。
が、次に発せられた竜の言葉に頭が真っ白になった。
竜「遊園地で買ってもらったんだ。」
頭より先に口が動く方が早かった。
・
・
・
『あなた、恵くんなの…？』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 125人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
はる(プロフ) - アミさん» 返信遅れてすみません(><)共感してくれてめっちゃ嬉しいです！！ああいう子に惹かれます笑私もお友達になりたいです~！周りの子あんまり映画見てなくて^^;ぜひぜひ！！私が主様のボードに行けばいいですか？(詳しく分からなくてすみません泣) (2021年8月21日 21時) (
レス) id: 775a820581 (このIDを非表示/違反報告)
アミ(プロフ) - はるさん» え、待って、めっちゃ分かります!佳主馬に似てますよね!!!私もずっと思ってました！もしかして運命ですか？((殴もうお友達になりたいくらいです!!!よかったらボードで一緒に話しませんか？急ですみません！ (2021年8月18日 21時) (レス) id: af4182423c (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - アミさん» 小説作ってくれてありがとうございます（歓喜）自分で書くとなんか違うなってなっちゃうんですよね^^;恵くん、サマウォの佳主馬に似ててちょっと憂いのある感じがたまらんです…！登場した時からこの男の子いいなってなりました笑 (2021年8月18日 20時) (レス) id: 775a820581 (このIDを非表示/違反報告)
アミ(プロフ) - はるさん» ですよね、ですよね!私も映画見てからめっちゃハマったんで、いっそのこと小説作っちゃおうってなりました笑私も恵くん好きです（おまわりさん、この人です） (2021年8月17日 22時) (レス) id: d1ce3b19d9 (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - 初めまして！映画見てからずっと小説探してて、この小説にたどり着いたんですけどめちゃめちゃ面白いです！！更新楽しみにしてます^_^私も(凄い年下ですが)恵くん大好きです！(犯罪) (2021年8月17日 21時) (レス) id: 775a820581 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
