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『あつ…、』
お風呂から出て暑い体を冷ますように水を飲む。
夏油が高校生の時、いろんな女の子と遊んでいたのはよく知ってる。
ただ長い付き合いの間、自分とそういう雰囲気にならなかったのだから、何か余計なことを言ったというのはわかる。
『…ほんと、ごめん。』
「謝られるのは好きじゃないなぁ。」
『いやだって謝るしか、』
「一緒に二度寝しよ、次起きたら忘れるから。」
そう言われて再びベッドに入る。
優しく抱きしめられて、心地よくて。意識を手放した。
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次に目が覚めた時はもう外は明るくて、時計を見ると9時を指していた。
まだ寝ている夏油から離れて、朝食を作る。
『…夏油、朝ご飯できたよ。』
「ん…、おはよ……ちゃんと忘れたよ。」
長い髪をかき上げて、朝食を見ると「美味しそ、」と呟いた。
向かい合ってご飯を食べながら何でもない話をした。
「こんな健康的な朝食久しぶりだよ。ありがとう、ごちそうさま。」
『…それはよかった。またいつでも来てくれたら作るよ。』
「また来てもいいのかい?」
それはどういう意味だろうか。
そんな事を思ったけど口には出さないでいた。
今さらこの交友関係がそう簡単に潰れないことは理解しているけど、なんとなく怖かった。
『今度は硝子も連れてきてよね。』
「…悟は?」
『無理でしょ、いろいろ私たち終わってるし。』
連絡すら取っていない。
恋愛感情と同時に元々あった友情も失ったのだ。
「せっかく京都まで来たし、夕方まで観光しようかな。付き合ってよ。」
『いいよ、いろいろ連れて行ってあげる。』
それから夕方まで有名な観光地からお店まで時間の限り回って、最後はお土産を見にきた。
「硝子と悟にお土産買わないとね。」
『…五条はこれが好きだよ。』
「よく知ってるんだね。じゃあこれにしよう。」
そりゃ知ってるよ。好きだと言って食べてたことを覚えてるから。
お土産を買って、駅まで見送った。
次はいつ会えるだろうか。
***
「悟、これお土産。」
「……これってもしかして、」
「じゃあ私は忙しいから行くよ。食べたら感想待ってるね。」
一度だけ食べた、美味しかったお菓子。
お土産の中ではマイナーなやつ。
美味しすぎて譲りたくなくて、Aも一緒にいたのにあげなかったんだっけ。
元気にしてんのかなぁ、なんて。
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くまこ(プロフ) - ウルさん» こちらこそ最後まで本当にありがとうございました!リクエストもありがとうございました!書いていて楽しめました(^O^) (2021年9月5日 22時) (レス) id: f5bfbbb40b (このIDを非表示/違反報告)
くまこ(プロフ) - riyaさん» こちらこそ最後まで本当にありがとうございました! (2021年9月5日 22時) (レス) id: f5bfbbb40b (このIDを非表示/違反報告)
ウル(プロフ) - リクエスト答えて下さり、ありがとうございました!!五条先生の日焼けの仕方に1人で笑ってしまいました(笑)あと、完結おめでとうございます!!本当に見ていて楽しかったです。素敵な作品、ありがとうございました! (2021年9月5日 12時) (レス) id: c74361b71e (このIDを非表示/違反報告)
riya(プロフ) - 完結 寂しいですが 素敵な物語読めて感激です。ありがとうございました。 (2021年9月5日 9時) (レス) id: 0599723b2d (このIDを非表示/違反報告)
くまこ(プロフ) - ウルさん» ありがとうございます!次更新時に書きます!リクエストありがとうございます! (2021年9月1日 22時) (レス) id: 501da60a6e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:くまこ | 作成日時:2021年8月21日 9時