喧嘩ばかりの君と【五条悟】

第二十五話 ページ26

五条「いい加減機嫌直しなよ」

横にいる悟になだめられるが
　
「今日が式ってわかってるくせに、本当にデリカシーがない」
　
原因は紛れもない、隣にいる悟である
　
なんと、あれから10年経って

私たちは結婚することになった

今日は結婚式
　
なのに
　
五条「いいじゃん。ファンデーションでキスマーク隠れてるじゃん」

カバー力すごいねぇ〜、と感心している悟
　
「おかげで寝不足だし、どうしてくれるの。一生に一度の結婚式なのに」
　
五条「それは俺にとってもなんだけどね」

「本当にいつまでも子供なんだから」
　
夢だったウェディングドレスを着て

隣には悟がいるのに
　
なんでまた喧嘩しているんだろう
　
私もまだまだ子供だな、なんて思い少し反省していたら
　
五条「ねぇA」
　
名前を呼ばれ、「何？」と悟の顔を見ると
　
信じられないくらい優しい顔をしていて、少し泣きそうになりながら
　
五条「本当に綺麗。大好き。愛してる」
　
なんて、言うもんだから

びっくりしすぎて呼吸が止まった
　
「はっ、は？！どうしたの急に？！泣いてるの？！」

と、慌ててしまう

こんな悟は見たことがない
　
五条「いや、マジでやっと俺のものになるのかと思うと泣きそう」
　
「私はものじゃないんだけど？？」
　
すると悟が私を疑うような目で見てきて

五条「だってお前、何回断ったよ...」
　
ぐうの音も出ない
　
実はこの10年という月日が経つ間に
　
3回もプロポーズされていた
　
嫌だったわけではない

色々と、タイミングが、悪かった
　
「そ、それは前も真剣に話したけど、許してくれたじゃんっ？」
　
五条「許すに決まってんじゃん。だってこっちは惚れてんだから」
　
悟が上を向いて涙を堪えているのが堪らなく愛おしくて

「私も悟大好きだよ。今日からまた、よろしくね」
　
そう言って、腕に抱きついたら

大きく目を見開いて
　
五条「待って、マジでそれはやばい」

と顔を押さえている

「あ、そろそろ悟入場じゃない？いってらっしゃい」

五条「待て待て、こんな顔見られたらみんなに笑われる。タイム。Aが先に行って」

「いいじゃん、人間味あって」
　
五条「面白がってるだろ」

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