意気地無し ページ34
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私を押さえつけてるのにグクくんは平然としたままで
JK「“イケメン”って言うんでしょ」
『ん、そうだね』
JK「かっこいいと思う?」
『私のタイプじゃないけどかっこいいと思うよ』
ドキドキを誤魔化すように視線はテレビに向けたまま。
近すぎて絶対グクくんにも聞こえてるはず。
JK「じゃあAヌナ、“ぼくはイケメン?”」
いきなり聞こえた日本語に、すぐそばにある顔を見たら思ってたよりもずっと近くてびっくりした。
グクくんは、イケメンなんてもんじゃない。
『“綺麗”』
JK「それって女性に使う言葉じゃないの?」
『普通はね。でも“綺麗”なんだもん』
うらやましいくらいに整った顔。
声も少しハスキーな感じで色っぽくて。やっぱりグクくんてほんとずるい。
それなのにそんな声で甘く囁くんだもん。
JK「なにそれ。・・・“Aヌナ、綺麗”」
『冗談やめてよ。こんな距離で言われたら真に受けちゃうよ』
JK「本気だよ。キス、しちゃう?」
ちょっと動いただけで触れそうな距離。目を逸らすことも許されない。
JK「嫌がんないと本当にするよ」
このキスで私たちの関係が変わるならそれでもいいかなって思ったの。
良い方にも悪い方にも転ぶことはできるけど、立ち止まったままのこの場所よりはずっといいから。
なのに・・・
JK「ごめん、困らせちゃったね」
キスするって思ったのに離れていく体温。
グクくんは私を置いてベッドルームの方へ行く。
向こうからは大きなため息が聞こえた。
ため息を吐きたいのは私の方だよ。
私、困った顔なんてしてないよ。
グクくんの意気地なし。
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作者名:ゆん | 作成日時:2019年4月15日 20時