悪戯な顔 ページ29
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飛行機の時間を考えるともうここを出る時間。
JK「はぁ・・・ちょっと待ってて」
何を考えているのか全くわからない表情でスマホを取り出しどこかに電話しているグクくん。
JK「あ、ヒョン?明日の仕事って何時からだっけ」
ナムジュンかな?それともマネージャーさんかな
JK「ちょっと今日帰れなくなった。うん、明日朝イチで帰るよ」
電話口からは大きな声が聞こえて、少し離れたところにいる私にまでだめって声が届く。
そりゃあそうだよ。
一人だけ別便なのもマネージャーさんは良い顔してなかった。
それが急遽もう一泊だなんて。
帰らなくちゃ、そう思ってグクくんの袖を軽く引っ張った。
小声でグクくんにだけ聞こえるように
『無理だよ。諦めよう』
帰ろうと思って歩き出した私の腕を掴んでニヤって笑ったグクくん。
スマホからはまだ声が聞こえてるのに無視して通話終了のマークをタップする。
『えっ?何してるのグクくん』
JK「あははっ。たまにはいいでしょ。仕事より優先しなきゃいけない事もあるの。それに間に合うように帰るつもりだし」
いい事だとは思わないけど、悪戯っぽく笑った顔に思わずキュンとした。
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運が良かったのかどうなのか、ホテルは空室ありで部屋を取れた。
予想が当たったのか上から数えた方が早いランクしかなくてスイートと名のつくそれだった。
これは冗談で済ませたかったんだけど。
『グクくん、さすがに無理だよ』
とてもじゃないけど払えない。
ホテル自体いつも予約いっぱいで取れないし、ずっと憧れてたけど。
初めてがスイートなんてありえないし私はそんなとこに泊まっていい人間じゃない。
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作者名:ゆん | 作成日時:2019年4月15日 20時