過去と向き合う ページ30
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衣装が濡れてしまったみんなが私服に着替えてる間、手持ち無沙汰だった私は廊下をブラブラしている。
テレビ局って何回来ても慣れないな。
行くあてもなく歩いていたら、掴まれる腕。
びっくりして振り返ったら、そこにいたのはジュノさん。
何かの撮影の合間かな。綺麗にセットされた髪に目が行く。
「A、」
『ジュノさん、この前はすみませんでした。』
彼の腕を離し、顔を見る。
あんな態度をとってしまったこと、少し後悔してた。
「えっ･･･俺の方こそごめん。いきなり押しかけて。A、ちょっと話がしたいんだけどいいかな？」
ずっと彼と話をするのが怖かった。
真実を知って、私はただの浮気相手で本当は誰でもよかった。なんて言われたらきっと立ち直れないと思ったから。
でも過去のことっていつかは風化してしまうんだろう。
この前は取り乱してしまったけど、今日はとっても心が落ち着いてる。
みんなに話したからかな。
自販機の前の誰でも座れるような休憩スペースに腰を降ろして、先に話し出したのはジュノさんだった。
「婚約してること、隠して騙すような真似して本当に悪かった。」
『やめてください。こんなところで頭なんて下げないで下さい。』
「ごめん･･･。でも本当に後悔してるんだ。事務所からは結婚前の最後の悪戯みたいに言われて、誰にでもあるよ。なんてみんな言うから俺もそうだった事にした方がいいのかなって思ってさ。」
本当に申し訳なさそうにしてるのがわかるから、何も優しい言葉を掛けてあげられないことが辛い。
簡単に許せるほど私の傷は浅くはないから。
「でも、無かった事になってもAを忘れられなかった。」
『え･･･』
「婚約も解消して、あれから誰とも付き合ってない。今更だけどあの時から今まで君は浮気相手なんかじゃなくて俺の一番大事な人なんだ。」
信じられない言葉に胸がギュッと掴まれたみたいになる。
ジュノさんのことはずっと大好きだった。
私の世界は彼を中心に回ってて、それが全てだった。
「今すぐとは言わない。でも俺と付き合う事を前向きに考えてもらえないかな？」
ごめん、こんなムードも何もない所で。って言うジュノさんは私の大好きだった頃の顔をしていた。
いつも人の事を考えて行動していて、とても優しい人。
『ジュノさん･･･』
だから私も大好きだったし、尊敬もしていた。
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ゆん(プロフ) - ぼくさん» ありがとうございます！頑張りますので最後までよろしくお願いします。 (2019年3月28日 13時) (
レス) id: 15eb2fffb9 (このIDを非表示/違反報告)
ぼく(プロフ) - はじめまして、とても素敵な作品をありがとうございます〜すっごく素敵なので、更新楽しみに待ってます〜！ (2019年3月28日 12時) (レス) id: 3804fd5d86 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆん | 作成日時：2019年3月25日 16時
