私は何も知らなかった ページ23
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忙しいのに辛さを見せないところとか、スタッフみんなに気を配って優しいところとか。
そんな私の気持ちに気付いてたのかは今でも分からないけど、彼もまた私に好意を抱いてくれた。
好きだと言ってくれたけど、付き合おうとは言われなかった。
学生じゃないんだし、そんな言葉が無くても何も不思議に感じなかった。
会うのがいつもホテルや個室の料理店でも、芸能人と付き合うのは初めてだからこれが当たり前だと思ってた。
私は、一切疑うことをしなかった。
だから彼との契約期間が終了して会う時間が少なくなっても仕方ないと我慢した。
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その日は朝オフィスに入った瞬間からまわりに見られている気がした。
「おはようございます。」
ん？なんか変な感じ。
でも普通にみんな挨拶を返してくれるし、特に変わったことも無い。
あまり気にせずに自分の仕事に取り掛かっていたら叩かれる肩。
「Aくんだね。ちょっといいかな。」
え、この方は確か常務…。一度も関わったことは無いし、顔も月に一度見る程度の役員が私のデスクまで来て直接声を掛けるなんて。
常務の後ろには肩身の狭そうな部長が立っている。
そのまま初めて入る役員会議室に通される。
常務が出したのは一冊の週刊誌。
「これは、君で間違い無いね？」
2週間ほど前、ジュノさんと一か月ぶりに食事をした時の写真だった。
撮られたんだって理解するまでに時間が掛かった。
でもわかった瞬間、これは別れなきゃいけないんだって、きっとその為に呼び出されたんだって悟った。
けど、現実はそんな甘いものではなかった。
「あちらの会社は訴訟も視野に入れているそうだ。」
その瞬間まで本当に知らなかったけど、ジュノさんには婚約者が居たらしい。
しかも超人気モデル。芸能人に疎い私でも知っている人だった。
公にされていなかったし、仕事にプライベートを一切持ち込まない彼だから疑うこともなかった。
もちろん私はそんなこと知らなかったと訴えたけど一社員の私と、人気俳優の彼じゃ比べるまでも無かったんだろう。
何度も芸能人と仕事をして気付いたこと、ここは白も黒になる世界。
優先すべき事だけを見て、その他は簡単に切り捨てられる。
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ゆん(プロフ) - ぼくさん» ありがとうございます！頑張りますので最後までよろしくお願いします。 (2019年3月28日 13時) (
レス) id: 15eb2fffb9 (このIDを非表示/違反報告)
ぼく(プロフ) - はじめまして、とても素敵な作品をありがとうございます〜すっごく素敵なので、更新楽しみに待ってます〜！ (2019年3月28日 12時) (レス) id: 3804fd5d86 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆん | 作成日時：2019年3月25日 16時
