King and Princess２

ー３ ページ8

『拓司、そろそろ起きて。』



今は9時半。


今日のあのことが起きてから、約3時間がたった。


私は結局締切も間近ということもあり、二度寝をせずに起きていた。



伊沢「ｯ…。おはよう。」


『おはよう。』


伊沢「今何時？」


『9時半。』


伊沢「……もう少し寝る。」


『え？』


伊沢「寝た気がしない…」



まぁ、それはそうだろうね…


あんなに魘されてる時間があったなら…



『何時に起こすの？』


伊沢「あと1時間…」


『分かった。』



普通の人なら、ここで起こすのが普通かもしれないけど…


まぁ、拓司だからちゃんと計算していると思うから私は従うだけ。



『じゃあ、1時間後にまた起こしに来るよ。』


伊沢「A。」



"ｷﾞｭｯ"



『ちょっ…拓司。』



拓司は私の腰に腕を回してきた。



『向こうの部屋に行けないんだけど…』


伊沢「Aも一緒に寝て。」


『はぁ？もう26歳になったんだよ？』


伊沢「Aは俺の彼女だから良いんだよ。」


『まぁ…間違ってはないけど…』


伊沢「はい、入って。」



拓司は布団を上げて私に入るよう誘導してきた。



『はぁ…』



私も甘くなったな…


こうやって結局拓司の温もりを感じながら寝ちゃうんだから…

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