夜の彼-夢編-【YG】 (ページ6)

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あの時は、返事をせずに終わった質問

でも、彼の目があの時と違い

口角を上げ微笑む

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「ユンギさんが良ければ、ぜひ」

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あの時は少し怖さを感じたが、

今この大衆酒場で頬を赤らめている

ユンギさんになら

身を委ねてもいいと思った。

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店を２人で出る頃には

終電ギリギリの時間で

人の流れもあまりなくなっていた

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「すみません、ご馳走になってしまって」
「いえいえ」

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２人で歩く夜道

いつもと違う夜道

酔っているせいか夜風が冷たく感じる

ユンギさんの手が右手にあたり

引っ込めようとすると

そのまま指が絡まってくる

ユンギさんの方を見上げると

「なに？」とでも言うかのように微笑む

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この関係に名前をつけるとしたら

何という関係になるのだろうか。

居心地がよくて、でもどこか少し遠くて、

この関係に甘えていいのか分からないけど、

先のこととかを考えず、

わたしは今この人ともっといたいと思った。

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「ここから近いんですか？」
「少し遠いかな」

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歩きながらユンギさんは、「あ！」と

何かを思い出したように声を上げた

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「ラップ聞くようになったの？」
「あぁ、はい」

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何の話かと思ったら、

あのホストクラブで話した話だ。

口元を押さえてニヤニヤしているユンギさん

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「どうしたんですか？」
「俺の影響？」
「そうですね」
「ふふ、いや、そっか…めっちゃ嬉しい」

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わたしの手をぎゅっと握り、

照れ臭そうに笑う

その顔を見られたくないのか

帽子を少し深くかぶった

こんな表情もするんだとわたしの胸もきゅーとなる

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「あの時気づかなければもう少し騙せたのにな〜」
「わたしで遊ばないでください」

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２人で話していると気づいたら

大きいマンションについた

わたしのアパート何個分だろうと考える

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「ここですか…？」
「まぁ、ホストなんで」

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マンションの入り口のドアが開く

なんだか急に緊張してきてしまった

yesを出したのはわたしだけど家に入るということは

少なからず覚悟はしていた

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そして、ドアが開いて玄関の中に入る

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中に足を踏み入れると、

玄関のドアが閉まる寸前、

ユンギさんの右手がわたしの頬に触れ、

唇が重なった。