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「そしたら、何で隠してるんですか…」
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「嫌なんだよね…馬鹿にされるのも。嘲笑われるのも。指さされるのも。」
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初めてユンギさんが少し悲しい顔をした。
何かを思い出したように。
その一瞬の表情に聞いてしまった罪悪感がふと生まれ、
わたしの心臓がずきんと痛くなる。
でも、その後すぐわたしを見てユンギさんは笑った。
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「ふふ、そんな話よりお腹空かない?何か頼もうよ。俺、朝昼食べてないからペコペコ」
「そうですね」
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わたしはテキトーにメニューを選ぶ
さっきの話に線を引かれた
もうこれ以上聞かないでねっていう線
いきすぎたなと少し反省
だって私たち…
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「俺、ねぎまともも」
「わたし、レバー」
「レバー苦手」
「ユンギさんは食べないんだからいいじゃないですか」
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友達でも恋人でもない
この前知り合っただけの人
そんな人がそんな土足で踏み込んじゃダメだ
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ユンギさんはお酒が進んでいるからか
顔がほんのり赤くなってきた
いつもよりも笑う回数が増えていて
なんだかいつもよりも柔らかい
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「かわいいですね」
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楽しそうに笑うユンギさんを見て
つい口からこぼれてしまった
言った後に自分ではっとする
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「なに、Aちゃん馬鹿にしてんの?」
「馬鹿になんてしてないです」
「してるでしょ〜女の子の”可愛い”なんて馬鹿にしてしかいない」
「そんなことないです、顔が赤くなってて本当に可愛いって思ったんです」
「Aちゃんだって顔赤いじゃん」
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ユンギさんの左手が伸び
わたしの右頬を親指が撫でる
急に触れられ、わたしも動けなくて
心臓の音もどんどん大きくなる
ユンギさんはこちらを見て微笑み
一緒だねと言う
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「そ…そんな赤くないです」
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ユンギさんの手が離れる
目の前の飲み物を急いで飲む
緊張でお酒が進む
少し飲み過ぎたのか緊張も相まって
ぼーっとしてきた
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「明日は休み?」
「はい」
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目の前で頬をほんのり赤くしたユンギさんが聞く
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「このあと、どうする?」
「え?」
「2軒目行く?それとも…」
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「俺んち来る?」
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あの日と同じだけど、あの日と違う彼が言う
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izumo(プロフ) - 10話を公開にし忘れておりました。申し訳ございません。 (2022年9月3日 23時) (レス) id: d7ceddd94b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:izumo | 作成日時:2022年3月12日 1時