夜の彼-夢編-【YG】 (ページ15)

今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:20,218 hit

15 ページ15

.

「いえ、最初の頃と全然違うなと思って」
「…人見知りなんです」
「そうだろうなって思ってました」
「でもAさんはユンギさんのお友達だし、クラブいると距離感無視してくる女多いんだけど、
Aさんは違かったから、信用できるなと思って」

.

確かに、あそこにずっといたらそういう人たちばっかりだろうなと思った。

.

「そう言ってくれると嬉しいです」

.

「ユンギさんって…」

.

ユンギさんがグクさんにわたしの話をしていたと

以前言っていたことが気になって質問しようとした。

その時、

遠目に見えた

黒髪でスーツの男と綺麗なモデルみたいな女の人

彼女は彼の首元に手を回す

彼は周りの目を気にして腕をほどく

でも彼女は彼を物陰に引っ張りもう一度腕を回す

そして2人はキスをした

あー何でわたし視力いいんだろう。

よくなければこんなの見なくてよかったのに。

.

「Aさ…」

.

何度も首の角度を変える

彼が彼女を壁に押し付け

彼女の腰を触る

薄い生地であろうドレスがくしゃっと乱れる

わたしに触るみたいに彼女にも

.

視界が急にブラックアウトし、

わたしは何かに包まれた

.

「Aさん…泣いてます」
「え？」

.

自分の目元を触ると涙で濡れていた

疲れのせいだ、

涙腺が緩んでいたんだ

泣くなと思いながら、思えば思うほど涙が溢れる

グクさんがいるのに、泣き止め。

.

「グクさんごめんなさい、わたし」
「帰りましょ？」

.

こんな迷惑女

人前で泣くなんてわたしが一番嫌いなタイプの女だ

何やってるんだわたし

グクさんは優しくわたしの手を握って歩き出した

.

「変なところ見せてすみませ」
「Aさん、お腹空いてませんか？」
「お腹…あ、はい？」
「俺、ラーメン作るのめっちゃうまいんですよ。一緒にラーメン食べません？」

.

彼がわたしに満面の笑みでビニール袋を見せる

ラーメン？