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陸話 ページ8

『すごーい!速い速い速い!!』

「おい、顔出すなよ」


全開にされた車窓から吹き込む風に髪をなびかせ、Aは興奮気味に目を輝かせる。

あれだけ車が怖かったとか言ってたくせに随分楽しそうだ。


『人間とはすごいものを作りますね!
私が歩いて1日かかるところに数分でついてしまいます!』

「流石にそこまで早くはない。窓閉めるぞ」


…そういえばこいつ、交通ルールとか大丈夫なのだろうか。

横断歩道の渡り方さえ知らなさそうだ。

そう思って聞こうとしたが、その前にAが口を開いた。


『あれが緑に光れば渡ってOKなんですよね!』

「なんだ知ってるのか」

『流石にそれくらい見てればわかりますよ!』


なめないでください!と怒られた。

まぁでも、やっぱり最低限のことはあとでちゃんと教えた方がいいだろうな。


『でも意外と止まる回数少ないですね〜』

「…そうだな、いつもはもうちょっと引っかかるんだが……」

『そうなんですか?』

「ああ、今日はついてるな」


そんな俺の言葉に、Aは何故か少し考え込む。

そこでようやく赤信号に引っかかり、車が止まる。

と、彼女はいきなりこんなことを言い出した。


『私といるからかもしれないですね』

「え?関係あるのか?」

『これでも祀られていた身ですし…私といれば零様の運気もちょっとだけアップしてると思いますよ』

「…まじで?」


そんな特典付きとは聞いてない。

ちょっとってどれくらいなんだ。

そう聞けば、Aはニッコリと笑って答える。


『月1で100円玉拾うとか、それくらいですかね!』

「……なるほど」


なんともまぁささやかな幸せである。

少しほっこりしてしまった。

いや拾ったお金は交番に届けなきゃダメだが。


『零様ーー!!街中なのにとても大きなてれびがあります!何度見ても不思議ですね!』


大型ビジョンを指さして覚えたての単語を使うAに軽く笑い、車のアクセルを踏んだ。

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設定タグ:名探偵コナン , 降谷零 , 安室透   
作品ジャンル:アニメ
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やっち(プロフ) - 更新お待ちしてます (2022年4月24日 5時) (レス) @page26 id: aabe067d77 (このIDを非表示/違反報告)
立夏(プロフ) - ベリナさん» わ〜!ありがとうございます…!!ずっと更新止まっててすみません!中途半端なところですしまた書きますね!!優しいお言葉、励みになります!本当にありがとうございます!! (2019年2月23日 0時) (レス) id: 4a977019e9 (このIDを非表示/違反報告)
立夏(プロフ) - ベリナさん» わ〜!ありがとうございます…!!ずっと更新止まっててすみません!中途半端なところですしまた書きますね!!優しいお言葉、励みになります!本当にありがとうございます!! (2019年2月23日 0時) (レス) id: 4a977019e9 (このIDを非表示/違反報告)
ベリナ(プロフ) - この作品もう更新はされないのでしょうか、、、?とても好きな作品なのでいつまでも心待ちにしております (2019年2月22日 21時) (レス) id: d785e007a4 (このIDを非表示/違反報告)
立夏(プロフ) - いちごって美味しいよねさん» こんにちは!いつもありがとうございます〜!こちらもよろしくして頂けると嬉しいです!! (2018年11月16日 7時) (レス) id: 0fab2bc529 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:立夏 | 作成日時:2018年10月24日 21時

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