末っ子の暴走 ページ29
出水side
「あれ?今日Aは??」
「Aなら今日は正式入隊日だから嵐山隊と一緒に教育係の仕事があるって言ってましたよ」
「まじか、レポート手伝ってもらおうと思ってたのに」
そう言って机に突っ伏す太刀川さんはとても大学生には見えない。
そろそろ自力で課題やったらどうなんだろ。
柚宇さんはずっとゲームしてるし…
「俺、ランク戦してこよーかな」
そう言って作戦室を出た途端、こっちに走ってくる人影が見えた。
あれは、、、嵐山さん??
「おい出水!!!C級ランク戦でお前らのとこの末っ子が暴走してるぞっ!」
よほど急いできたのか息をきらしながら言ってきた。
末っ子…??
あ、Aのことか!!!
「え、なんでC級ランク戦に??」
「俺も詳しくは分からない。ただC級隊員に絡まれて対戦を申し込まれたらしくてな…」
Aのことだから負けるとかは考えられないけど…
「なんだそれ、面白そうじゃねぇか」
見にいこうぜ、と言って太刀川さんはC級ランク戦のブースに向かっていった。
たぶんレポートやりたくないだけだと思うけど。
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ランク戦のロビーに行くと、かなりのギャラリーで賑わっていた。
どうやら先に5本取った方が勝ちという形式でやってるらしい。
でも、なんだこれ…
「3対1??」
周りの隊員に聞いてみると、ハンデとして訓練用のトリガーでやること・3人同時に相手をすること・Aは1本でも取られたら負け、ということになったらしい。
「とっきー、これどうなってんの?」
「なんか気づいたらこうなってて…すみません」
やっぱり周りも何が何だか分からないみたいだ。
「なんだ、強いやつが出てきたのかと思ったけど違うのか」
そう言って太刀川さんはつまらなそうに見ている。
たしかにもうAが3本も取っている。
普段、銃手のトリガーを使って戦うことが多いのに、今日は相手に合わせて弧月を使っててやりづらそうだ。
さすがに負けないとは思うけど……
「ちょっ、、やっぱり止めましょうよ」
そう言った俺を静止させたのは隊長の言葉だった。
「あいつ、、、強くなったな」
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「え、、、?」
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作成日時:2021年10月20日 1時