違和感 ページ23
出水side
「さっむぅ、、、！！！」
久しぶりに槍バカと緑川と非番の日が被ったので、まだ今年は初詣に行けてないから行くか、という話になった。
けどやっぱり季節が季節だけに、寒い。
「あーあ、本当だったら今ごろ可愛い彼女作って初詣デートとかしてるはずだったのになぁー」
「よねやん先輩、木虎ちゃんとか誘えばよかったじゃんー！」
「ばーか、誰があんなクソ生意気な後輩誘うか！」
横で2人の会話を聞いてるだけで居心地がいい。
相変わらずバカだけど面白いんだよな、こいつら。
いや、バカだから面白いのか？
「いずみん先輩もAさん誘ったりしないの？」
？！？！？！
「あー緑川。こいつこう見えてめっちゃくちゃ奥手なの。未だに名前で呼んで欲しいって言えないんだぜ？」
米屋はからかうようにそう言った。
「うるせー槍ばか！！！！！そもそも付き合ってねぇし、名前で呼んで欲しいなんて言えるわけねぇだろ！」
しかもボーダーの任務や訓練以外で2人きりになったことなんてないし、外にご飯に行ったことすらない。
「今の関係性で安心してると、誰かに取られちゃうぜ？」
わかってる。それはわかってるけどさ。
「じゃあ俺、いずみん先輩の恋が叶いますようにって神様にお願いしとくね！」
ルンルンでお賽銭を入れる緑川を見て、やっぱりこいつもまだ中学生なんだなと感じる。
「あれ？あそこにいるの綾辻ちゃんと三上ちゃんじゃね？」
米屋の目線の先には振袖姿の5人がいた。
「あっ！Aさーーーん！！！！」
緑川が真っ先にAに駆け寄る。
やばっ、、、可愛すぎだろ。
いつも着てる隊服が黒なので白の振袖を着てるAは普段と雰囲気が違い、すごく綺麗だった。
柚宇さんもいつもと髪型が違うが、振袖に合っていて大人っぽい。
三上先輩のうしろに隠れていたAが目の前に現れると、普段とのギャップに気が狂いそうになった。
抱きしめたくなるくらい可愛い、、、
でも、顔を見ると少し違和感を感じた。
いつもより青白い…？いや、メイクのせいでそう見えるだけ？
よく見ると目の周りも少し赤い。また泣いたのか？
振袖、綺麗だな、、、そう言おうと思っていたはずなのに自分の口からは全く違う言葉が出てきた。
「…お前、体調悪いだろ」
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作成日時：2021年10月20日 1時
