サヨナラヒロイン (ページ4)

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ヒロインを諦めた日【1】ページ4

〔現在〕

藤原「馬子にも衣装やな」

「似合ってるって言いたいんでしょ」

丈くんのツンをそう言ってあしらうと、鼻で笑われる。

藤原「似合ってんで」

白いタキシードを着たメンバーたちとお揃いの、タキシード風ワンピース。

デビューしてから、衣装でスカートやワンピースを着ることが増えた。

理由は聞いたことないけど、他のグループにはない色をだせる1つになっていたらいいと思う。

藤原「ボーッとしてたけど、何考えてたん」

「結成日のことだよ」

藤原「ああ…なるほど」

「覚えてる？あの日、ご飯誘ってくれたよね」

懐かしそうに目を細めた丈くん。

私はあの時丈くんに救われた。

苦しさで押しつぶされてしまいそうだったけど、丈くんらしい言葉をかけてくれた。

藤原「覚えとるわ」

「私ね、感謝してるんだよ。遠回しでも忘れろって言ってくれて」

下手に応援なんてされなくてよかったの。

だから、4年間頑張ってくることができた。