白がええと思う【2】 ページ16
〔結成当時〕
「こば」
こうやって私を呼ぶのは、メンバーのなかに1人しかいない。
「どしたの？ 大吾くん」
昔は名前で呼んでってお願いしてたけど、全然言ってくれないから最近は諦めてる。
西畑「メンバーカラー決めるって」
「あ、うん。いまいく」
動き出そうとしたけど、大吾くんは私をじっと見つめたまま動かない。
見つめられると、さすがにドキドキする。
西畑「……」
「え、な…なに」
西畑「こばってなんで…」
高橋「…見つめ合ってなにしてるん」
私たちの間に立ったのは恭ちゃんだった。
なかなか集まらないことに痺れを切らしたらしい。
高橋「いくで」
恭ちゃんに連れられて、みんなのとこに合流する。
さっきの、なんだったんだろ。
もう既にカラーが決まってるらしい大吾くんは、同じくカラーが決まってるみっちーと一緒に、輪の外で話してる。
さっきのことが気になって大吾くんをみていると、じゃんけんの掛け声が聞こえて慌てて手を出した。
「え、1人負け？」
長尾「珍しない？！ Aちゃん、じゃんけんめっちゃ強いのに！」
大西「ボーッとしとるからやろ。ほらつぎつぎ」
負けた私は余った色になる。
余った色といっても何種類かあるわけで、何色にしようか迷ってしまう。
藤原「優柔不断すぎるやろ」
「ごめんって！ もー、ほんとにどうしよ…」
道枝「なになに、最後Aちゃん？ 迷ってるん？」
長いこと悩んでいると、離れたところにいたみっちーと大吾くんもそばにやってくる。
「水色、黒…うーんやっぱ黒かな」
大橋「Aちゃんが黒？！ なんかイメージとちゃうなあ」
はっすんにそう言われてしまい、また悩んでしまう。
そこに、彼の声が響く。
西畑「白がええと思う」
「白？」
長尾「白ええやん！」
大橋「ほんまに！白ええな！」
「…みんなが言うなら白にしようかな」
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作者名：ソルト
| 作成日時：2023年3月30日 22時
