サヨナラヒロイン (ページ14)

今日:11 hit、昨日:2 hit、合計:24,565 hit

嫌になったら、言ってな【3】ページ14

〔現在〕

高橋「今度ああいう質問がきたら、俺がかっこよすぎますって言ってええんやで」

「いや、それはいいや」

笑って遠慮した。

控え室に戻る時、声をかけられる。

西畑「こば」

「ん？」

ほかのメンバーは部屋に入っていった。

西畑「ほんまに嫌になったら、言ってな」

昔も今も。

大吾くんは私を尊重しながら守ってくれる。

紅一点だから聞かれた質問。

繰り返される質問に泣いてしまった時、そんな言葉たちに負けたくないと思った。

だから、抗議するわけでもなく慰めるわけでもなく、ただそばに居てくれた。

今も。

また恋愛絡みの質問が増えるのかと身構えた私に、気付いて、逃げ道があるのだと教えてくれた。

アプローチは違っても、そこにはいつも変わらない彼の思いやりがある。

「……っ…ありがと」

西畑「ん」

声は震えてなかっただろうか。

感謝の気持ちは伝わっただろうか。

溢れ出そうになった気持ちは上手く隠せていただろうか。

心配で心配で、その日はそれ以降

彼と話すことはできなかった。