嫌になったら、言ってな【2】 ページ13
〔結成当初〕
記者「男子メンバーにキュンとすることありますか？」
なにわ男子になってよく聞かれるようになった恋愛絡みの質問。
幾度となく否定して、愛想笑いして疲れてきた。
「んー、基本的にはあんまないですね。あ、でも重いもの持ってくれたりとか、そういうときはかっこいいなって思います」
定型文を返して、ニコリと笑う。
嘘つくの、上手くなったな。
そんなふうに自分で思ってから、簡単に嘘をつけるようになった自分に嫌気がさした。
…
大橋「Aちゃん、ほんまにごめんな」
「なんではっすんが謝るの？ 仕方ないじゃんね」
大橋「せやけど…」
眉を八の字にして、困った顔をするはっすん。
本当に悪くないんだから、そんな顔しないでいいのに。
西畑「こういう質問が続くの、久しぶりやな」
「そうだね。入所したときもちょっと多かったよね」
藤原「ちょっとやない、だいぶや」
「あー、そうだっけ」
丈くんが少しイライラしてるのを感じ取って、呆れ笑いをしながらテキトーに誤魔化した。
私含め年長組は、私の入所当初を思い出して苦笑いする。
高橋「そんな多かったんすか？」
「ちょうどその頃、ドラマに出演したこともあって、ありがたいことに注目してもらってたの」
入所半年程でドラマ出演、それもジャニーズでたったひとりの女の子。
仕方ないんだ。聞きたくなる気持ち、分からないこともないから。
「私その時まだ小さかったからさ、ちょっと泣いたりしちゃって…」
あのとき、はじめての事に戸惑って苦しくて。
どうしようもなかった。
そんな私を助けてくれたのは大吾くんだった。
何も言わずにただそっとそばに居てくれたことが、どれだけ私を救ったことか。
高橋「へー、大吾くんかっこいいすね」
西畑「べつに俺、なんもしてへん」
そういう彼にそんなことない、と首を振った。
道枝「今度は俺たちも助けますから」
「はは、ありがと」
.
嫌になったら、言ってな【3】→←嫌になったら、言ってな【1】
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 349人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ソルト
| 作成日時：2023年3月30日 22時
