ここにおってよ【2】 ページ22
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長尾「ジャニーズやなかったら、自分何やってたと思います？」
ほろ酔いの謙杜がとろんとした目で聞いてくる。
それでもシラフの時と変わらないしっかりとした口調に、意外とお酒が強いことを自覚させられる。
藤原「急になんやねん」
長尾「この前インタビューで聞かれたんやけど、ふたりは何やってたんかなぁ思って」
「どうだろう…小さい頃からこの世界にいるとさ、それ考えるのなかなか難しいよね」
私の言葉に丈くんはうん、と頷いた。
藤原「ここでやっていくんやって覚悟決めとるしな」
長尾「でも覚悟したのって入所してすぐってわけではないやん」
「まあ…そうだね」
長尾「いつのタイミングやったん？」
「あー…。んーとね、言うて私は遅い方だったんだけど…あ！ これ丈くんにも話さなきゃなんだった」
いつか言おうと思って、言ってなかった話。
藤原「ん？」
「これ、ちょっと長くなるんだけど」
長尾「聞く聞く！」
「私ね、アイドルを諦めた時期があったの」
藤原「3回目やな、それ聞くの」
「はいはい、ごめんって」
長尾「ええから続けて！」
「あ、うん。えっと、役者の仕事が増えてステージに立つ機会が減ってたときがあって、ファンの子達にも芝居に専念するのかなって言われ始めて」
藤原「それで？」
「そのとき、わかんないけど、大吾くんが話しかけにきてくれて。私…何を思ったか、我先にと話し出したんだよ」
藤原「アイドル諦めるの話？」
「うん、その話」
そう、あのとき彼は…
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作者名：ソルト
| 作成日時：2023年3月30日 22時
