過ち ページ26
店から近い私のアパートへ向かった。
家のカギをあけて入ると、豊さんがカギを閉め私を抱きしめた。
持っていた鞄とカギが足下に音をたてて落ちた。
体を少し離すと、暗闇の中で豊さんの唇が重なった。
軽いキスから深いキスへ変わる。
タバコの味がした。
リビングをぬけ、寝室へ入る。
お互いの顔を見ることなく、目を瞑り口づけを交わす。
ベットに押し倒され、服を剥ぎ取られる。
早く早くと言わんばかりに、肌の温もりを欲した。
頭の中に誰かを思い浮かべて、これでもかというほどにくっついて求めあった。
時々、豊さんがうわごとのように呼ぶ。
「優香……。」
それを聞いたときに、
あぁ……バカなことしてる。
そう思った。
そう思った瞬間に、豊さんの胸を押し返した。
豊さんが、目を開ける。
「やっぱ、嫌。」
無言で私の手を押し付けて、キスをしてきた。
「んっ…やぁっ！」
「今日だけ、我慢して……頼む。」
涙が流れた。
悲しかった。
私たちは、本当にバカだ。
「ごめん、A。」
そう言って、私の中に入ってきた。
誰かの代わりなんて、なれっこない。
虚しさだけが、残った。
朝になり、寝返りをうって暖かいものに触れる。
半分寝ている頭で、それを確認するかのようになでまわした。
「くすぐってぇ……。」
その声を聞いて、ガバッと起き上がった。
豊さんと目が合う。
「朝からいい眺め。」
そう言って、布団をかけてくれる。
「やだっ。」
何も着てないことに気づき、慌てて布団を被った。
「A？」
「なに？」
布団をめくられる。
豊さんの優しい顔が、そこにはあった。
「おいで。」
グイッと抱きしめられ、私は力を抜いた。
しばらく私の背中をするすると撫で、豊さんが言った。
「俺、後悔してないからな。」
豊さんが私の顔を見る。
そして、もう一度言った。
「後悔してない。」
再び私を抱き締めて、
「大事にする。」
と、言った。
「どういう意味？」
「ユウヤを好きなんだもんな。俺もまだまだ忘れらんねぇけど、何かあったら俺に言え。辛い時も苦しい時も、俺でよかったらいてやるから。」
「……うん。」
ぎゅっと豊さんに抱きついた。
嬉しかった。
「あーー。」
「なに？」
「朝からムラムラする！」
私は、豊さんのお腹をグーで殴った。
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歌広場公認の嫁だけど文句ある？(プロフ) - 淳様、リアルでも結婚しちゃってこんな感じかな？と思いながらニヤニヤしながら読んでます。ミーコさんの作品は癒しです！いつもありがとうございます。 (2017年7月10日 17時) (
レス) id: 2200419093 (このIDを非表示/違反報告)
ミーコ(プロフ) - みぃ。さん» いつも読んでいただいてありがとうございます。もうね、妄想が止まりませんね！さすが、豊です。 (2015年3月13日 18時) (レス) id: 7806b8db4f (このIDを非表示/違反報告)
みぃ。(プロフ) - 豊の口パクの後ではヤバイです！！期待してます！ (2015年3月13日 17時) (レス) id: dd52019954 (このIDを非表示/違反報告)
ミーコ(プロフ) - 凜香さん» 外しました。今まで知りませんでした。教えていただき、ありがとうございますm(__)m (2015年3月9日 16時) (レス) id: 7806b8db4f (このIDを非表示/違反報告)
凜香(プロフ) - オリフラ外して下さいね。 (2015年3月9日 16時) (レス) id: fe17656076 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミーコ | 作成日時：2015年3月7日 10時
