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* ページ35
後3時間は寝れると言い、歩夢は私の手を引いて寝室へと導いた。そして、仄かに残る温もりの中に2人で入ると、私を逃がすものかと言わんばかりに抱き締められた。
「朝まで離さんよ」
「どこにもいかないよ」
「いーや。Aはこの手を離すとすぐ飛んでってしまう。もぉ、嫌や。どこにも行かんといて」
「子供じゃないんだから…」
「子供でいてたらずっとおってくれる?なら子供でおるわ」
「歩夢は立派な大人でしょ」
「A、ちゅき!」
「バカ」
あぁ、痛い……
胸が張り裂けそうに痛い。
あの時の痛みと愛しさが私の体を蝕んでいく。
目を瞑ると、あの角のいつもの場所が眼に浮かぶんだ。救いようのない私の心を理解できるのは、もう手の届かないあの人だけ……。
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作者名:ミーコ | 作成日時:2017年9月30日 14時