* ページ4
ずっと放置していたスマホを開くと、着信履歴とメールが山程きていた。
着信の相手はお母さんと明美と翼。
メールのほとんどは翼だった。
そういえば告白されたんだっけ。
『大丈夫か?』
『酷いことされてないか?』
『電話に出てくれよ』
『A?返事くれ』
『俺の事、嫌いになった?』
『ごめんな、A』
どう返事をしたらいいのかと眺めていたら、着信になった。
『A?』
「どうしたの?お母さん」
『どうしたじゃないわよ…。あの後ぜんぜん電話繋がらないし』
「ごめん。明美の所に行っててスマホ見てなかった。大丈夫だよ」
『何もないならいいけど…』
ホッとため息を吐く音が聞こえた。
『唯くんは?』
「いないよ。あの後すぐ出てったもん」
『やっぱりそうなのね』
ほら、大丈夫。
嘘なんて、簡単につける。
「心配しないで?後3日、楽しんできて」
『おみやげ買ってくるわね』
「うん。マカダミアチョコもね」
『フフッ。了解、じゃあね』
「うん」
通話を終了させて、フッと息を吐いた。
その勢いのまま、明美と翼にメールを打つ。
《心配かけてごめんね。
唯さんにも叱られたよ。総長も大変だよね。
じゃあ、おやすみ》
スマホの電源を落として、私はそのまま暗闇に意識を委ねた。
.
40人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ミーコ | 作成日時:2016年8月6日 23時