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翼の家は本当に愛で溢れている。



だから、溺れそうになる。



喉の奥がつっかえて、込み上げてくる感情を押し流すように私は、ご飯を口に運んだ。



「客間にお布団敷いといたけど、好きな所で寝ていいわよ?」

「ブッ」

「母さんっ」


おやすみ〜。と言って、手を振って去っていく翼のお母さん。翼も私も顔が真っ赤だ。



「あー……とりあえず、部屋行こう。話したい事もあるしさ」

「……うん」



翼の後について行き、部屋に入る。

2年前と変わらない翼の部屋に、少しホッとした。

大きな青のビーズクッションに座った。
そんな私を見て、翼が嬉しそうにほほ笑む。私もつられてほほ笑んだ。



「2年前に戻ったみたいだな」

「うん」


鼻の頭をポリポリと人差し指で搔く。ビーズクッションは、私の定位置だった。

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作者名:ミーコ | 作成日時:2016年8月6日 23時

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