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『Aっ逃げろっ。学校方面に向かって走れ!』

「うん」


そう言ったと同時に、目の前を通り過ぎた人がいた。

新達が動きを止める。


私はその人の後ろについていく。


『A?』

「大丈夫。今、大通りの花時計の前歩いてる」

『A!見つけた。ここだよ』


その先に翼を見つけて、私はその人から離れると、一目散に翼のいる車に飛び乗った。


「A!」

「翼くん!」


ギュッと翼の腕に抱き締められた。


「イチャイチャは家に帰ってからにしてくれよ?」


徹さんが、じゃ、行くよ。と言い、車を走らせた。


「まさかお巡りさんの後ろを歩いてくるとは思ってもみなかったよ」


と、徹さんが笑う。


「偶然なんです。ラッキーでした」


新に見つかった直後に私の前を横切ったのは、パトロール中のお巡りさんだった。私は迷いなく、その後をついて行った。
さすがに新達も諦めたのか、引き返していったのだ。


「よかった………Aが無事で本当によかったよ」


繋がれた手がとても暖かかった。





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作者名:ミーコ | 作成日時:2016年8月6日 23時

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