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「じろちゃ・・・・さむい、でしょ・・・・これ」
しばらく当直もなく、明日は土曜日で体力的にも余裕があるから、今日は四郎の病室に泊まることにした。
あれから野々上先生とも波多野とも相談を重ねて、少し薬を変えてはみたものの四郎の体調は今一つ。
それでも、3月も終わりに近づいて花粉の量もいくらか減ってきたから、あと少ししたら通院治療に切り替えようと思ってる。
「いいから。兄貴にブランケットも持ってきてもらったんだし大丈夫だよ」
ソファに横になる俺に、寒いだろうと毛布をよこそうとする四郎。俺が風邪ひくより自分が風邪をひく方がよっぽど大事になるということを、こいつはいまいち分かっていない。
「・・・ん」
「何かあったらすぐ起こしてくれて構わないんだからな」
「ん・・・わかった」
入院当初は、四郎が眠るまで起きて見守っていたけれど、それが四郎にとって負担になると気付いてからは同じタイミングで横になるようにしている。
勿論、四郎が寝るまでは目を瞑るだけにするようにはしているけれど。
「おやすみ」
肩まで布団をかけてやって、靴を脱いで俺もソファに横になる。
「寒かったら言えよ。ナースコールしてもいいし」
「・・・んふふ・・・・どんだけにゅういんしてると、おもってんのよ・・・・だぁいじょうぶ」
「・・・・そか」
そう言って、四郎の寝息が聞こえてきたら顔を確認して寝ようと、目を閉じたふりだけをしてしばらく。
「・・・・ごめんね・・・」
不意に聞こえてきた四郎の声に、体が固まる。
俺が起きていることに気づいていないのだろうか。
続いて聞こえてきたのは、深いため息。それ以降、特に声は聞こえないけれど、なんとなく動けなくてそのまま眠ってしまった。
「・・・・さみっ」
体がぶるっと震えた気がして目が覚めた。寝る時にかけていたはずの毛布とブランケットは足元だ。手元の腕時計は朝の6時。
・・・・起きるか。ここで二度寝しては眠り続けてしまう気がする。
うーんと背伸びをして、四郎の顔を確認すると、目元には涙の跡。
「し、ろう・・・・」
・・・・・どうしたんだよ・・・。
突然のことに、タオルでそっと涙を拭いてやるほかなかった。
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和泉(プロフ) - なつきさん» はじめまして！コメントありがとうございます。どうしても説明ばかりの文章になってしまい悩んでおりましたが、そう言っていただけて嬉しいです！更新がかなり遅く申し訳ないですが、またよろしくお願いします。 (2020年5月2日 17時) (
レス) id: ae2377b3ba (このIDを非表示/違反報告)
和泉(プロフ) - Ｍ.あらてぃーんさん» はじめまして！読んで下さりありがとうございます。前回から随分と日が経ってしまい申し訳ないですが、本日第4章に移行しましたのでまた読んでいただけると嬉しいです。 (2020年5月2日 17時) (レス) id: ae2377b3ba (このIDを非表示/違反報告)
なつき(プロフ) - はじめまして！最初から読ませていただいてます！大好きな作品です！ほんとに嬉しい！1年間待っていました！丁寧なお話の運びが大好きです。マイペースでいいので、また楽しませてください。お忙しいとは思いますが、よろしくお願いします。 (2019年9月16日 23時) (レス) id: 39c29155f9 (このIDを非表示/違反報告)
Ｍ.あらてぃーん(プロフ) - こんばんは！はじめまして。以前から和泉さんの作品、特にこの作品楽しみに読ませていただいてました。今日更新通知が来て慌てて読みました！嬉しくて。お忙しいと思いますが更新楽しみにしてます！頑張ってください！ (2019年9月15日 23時) (レス) id: 98f6efc424 (このIDを非表示/違反報告)
和泉(プロフ) - ひづきさん» ひづきさん、はじめまして^^以前から読んでいただいたと知り、とっても嬉しいです！マイペースな更新ですが、お付き合いくださいませ。また感想聞かせてください^^ (2018年2月10日 22時) (レス) id: ae2377b3ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：和泉 | 作成日時：2017年6月7日 18時
