お客様お帰りになります!! ページ9
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家入side
「否定はしないんだ?」
「ん、なんの話?」
店員がレジ打ちをする中、私は扉の外で七海に絡む酔っ払いコンビを指さして言った。
「"五条は私の事好きでしょ?"に対してだよ」
「…盗み聞きしてんじゃねえ」
「たまたま聞こえただけだよ」
口をへの字にする五条の返事を遮るように、「暗証番号をお願いします!」と店員が声をかけた。「サインで」と答える五条は明らかに不機嫌だ。
「で、どうなの?」
「変な探り入れてくんなよ」
ふぅん、やっぱり否定はしないんだ。高専時代なら否定してたくせに。普段なら五条の本音なんて理解できないが、少なくとも今は…
会計を終えた五条が「レシートいらねぇからやる」と押し付けてくるのを見るに、話を逸らしたがっているのは一目瞭然だ。
…まあなんでもいっか、めんどくせーし。
私には関係ない。
足早に出口に向かう五条の背中を追って歩く中、何となくAの顔が頭に浮かぶ。
「A、明日になったら全部忘れてるんだろうな」
店員の軽快な挨拶を背に受けながら店を出る直前、五条がゆっくりと私を振り返った。その顔はもう不機嫌そのもので。
まったく、五条に何言ったんだよA。如何にも"忘れて欲しくなさそうな顔"してるんだけど。
「覚えてて欲しいんだ?」
「……別に、思い出させればいいし」
口を尖らせた五条は少し乱暴に扉を開けると、歌姫先輩とAに絡まれて眉間に皺を寄せる七海の元に駆け寄って行った。
相変わらず素直じゃない奴。
「ほら乗れよ七海ぃっ!家近いだろぉ!」
何故かタクシーの横で歌姫先輩に胸ぐらを掴まれた七海は「5人は乗れませんから先輩方がお先にどうぞ」とため息をつく。
各々が帰路に着き、今現在残っているのは歌姫先輩、七海、五条、A、私の5人だが、生憎タクシーには4人までしか乗ることが出来ないとのこと。
後輩の七海が席を譲るのが定石だが、この酔っぱらいの相手をさせた挙句にそれは流石に申し訳ない。
歌姫さんは私の家に泊める約束だし、七海は家の方向一緒だし……あれ、方向といえば五条とAの家って…?
自分も多少酔いが回っているようだ。物を深く考えずに口から出た提案に、隣で五条が息を飲む音が聞こえる。
「それじゃあさ___________
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来世は抹茶パフェ(プロフ) - 泥酔状態の夢主が自分と同じ過ぎて悶えてます、好きです。 (9月25日 3時) (レス) @page10 id: 7ab24f3f09 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ポのみ | 作成日時:2023年8月10日 15時