席替えは飲み会の醍醐味 ページ5
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「あの、ちょっと良いですか!」
『……誰?』
「高専東京校1年、虎杖悠仁っす!初めまして!!」
もう何杯飲んだかも思い出せない、そんな頃に高専の制服を着たピンク髪の男の子が声をかけてきた。そういえば店に着いた時にこの子見たような…東京校ってことは五条の生徒じゃないか。
少し離れた席に目を向けると「マジで行きやがったあいつ…」と呆れた様子の男の子と、「如月さんこっち見てんじゃん」と焦った様子の女の子。
そして少しだけこちらに顔を向けて様子を伺う五条。
目が合ったような気がした。
…目見えないけど。
『初めまして、いたどりくん、私はAです』
「大人の自己紹介とは思えないわね」と隣で硝子が笑う。酔っていて頭が回らないんだ、仕方ない。
虎杖くんの話によると向こうの席で私のことが話題に上がったようで。お友達の伏黒くんと釘崎さんが私とお喋りしたいけど、話しかけに行く勇気がないとかなんとか…
「そんなわけでAさん、俺たちの席来ませんか!」
「いいわよー」
私の返事を待たず勝手にそう答えた硝子に「マジすか!」と目を輝かせる虎杖くん。
え、私の許可取ってないけど…?いやだよ、あっちの席、五条いるじゃん。そんな私の気持ちも虚しく、気がつけば私の手を取り、ふらついた足取りの私を虎杖くんが引っ張って歩く。
振り返ればニヤニヤと笑う硝子。
私が五条と仲悪いの知ってるくせに…
昔から硝子は私と五条のどちらの敵でも味方でもない。第三者としてからかう立場だった。今だってきっと面白がっているんだ。
「伏黒、Aさん連れてきたぞ!」
『こ、コンバンハー』
抵抗する間もなく、気がつけば五条の目の前。ぽかーんとしているお友達2人と、机に置いていたグラスを倒して慌てる目隠し不審者。
じゃあAさん五条先生の隣座って!と爽やかに笑うこの青年に悪気は無いのだろう。だがしかしとても憎い。
でもここで断って空気を悪くするのもな…と思うと身動きが取れない。
さてどうしたものか、と五条の顔を見る。
「……座んねぇの?」
五条が零したオレンジジュースを拭きながら、ぶっきらぼうにそう言ったのを聞いて、
『……座る』
とぶっきらぼうに返した私はまだまだ子供みたい。
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来世は抹茶パフェ(プロフ) - 泥酔状態の夢主が自分と同じ過ぎて悶えてます、好きです。 (9月25日 3時) (レス) @page10 id: 7ab24f3f09 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ポのみ | 作成日時:2023年8月10日 15時