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とりあえず生ビール ページ2

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「ほれほれ〜

私たち遅刻してんだからさっさと降りなさーい!」





上機嫌な歌姫さんを横目に思わずため息が出た。私を迎えに来なければ遅刻もしなかっただろうに…遅れて登場なんて気が重い。




東京赤坂の居酒屋を貸し切っての宴会。安い店ではないことは外観から見て取れる。それにアイツが中で待っていると考えるだけで……体中が倦怠感に襲われる。





『……硝子、私やっぱり帰る』


「ここまで来たなら強制連行だっつーの」






「Aを誘拐するって言い出したの私だしぃ?」とニヤついている硝子に右腕を、「女子トークすんだから逃がさないわよ」と息巻いている歌姫さんに左腕を組まれ

人の声で騒がしい、賑やかなその居酒屋の中に重たい足を運んだ。


















「「「いらっしゃいませーっ!!!!」」」












入口の扉を開くと店員の軽快な挨拶が飛んできた。高専の者です、と声をかけると「お連れ様いらっしゃいましたー!!」と女性店員が店の奥に向かって叫ぶ。











その声を聞いて高専の制服を着た生徒が複数人、襖から顔を覗かせた。







「あ、五条先生!来たよ!3人!!」






制服にパーカーのカスタムをした、元気の良さそうな男の子だった。そうだ、高専生も来るのだった。



若手とは言っても10代からアラサーまで幅広い。私は28歳、ギリギリの若手枠か…なんて年齢差に多少ショックを受けていたのも束の間。



襖をパタンッと開いて座敷の奥からソイツは出てきた。


















「歌姫!硝子!お疲れサマンサー!!!



…………は?」












恐らく私を見た瞬間に動きが止まり、間抜けな声を出した。顔は目隠しでほとんど見えないが、大方「何故お前がここにいるんだ」と驚いた顔でもしているのだろう。




「は?」とはこちらのセリフだ。お疲れサマンサとか舐めてんの。相変わらずのバカ。




止めどなく溢れる嫌悪感を心の中で抑える。五条も似たような心情なのだろう。しかし昔のように出会い頭から煽る態度は示さない。




私も五条も大人になった。昔のような関係性はもう途絶えてしまったのかもしれない。













「ほら五条、席案内して!んでそこのお姉さん、生ビール3人分お願いします!!」




「……伊地知、そこの席詰めて。3人入れるから」





その空気を歌姫さんの大声が一刀両断。無事に席にも着くことができたが…それにしても気まずい。

2杯目はレモンサワー→←オーダー入ります!!



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来世は抹茶パフェ(プロフ) - 泥酔状態の夢主が自分と同じ過ぎて悶えてます、好きです。 (9月25日 3時) (レス) @page10 id: 7ab24f3f09 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ポのみ | 作成日時:2023年8月10日 15時

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