【n.p.l】この想いを声に【l.n.t.n】 (ページ38)

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38.危うく感じた時ページ38

「なぁ、蘭たん」

ある日のdiscordでの通話。オフの落ち着いた声ですぎるに呼ばれて、何だと口を開く。

「Aちゃんとどういう関係なん」

「ちょっ…と、二人来たらどうすんの、やめて」

hacchiはトイレに、shu3は猫がなんかしたらしくてそそくさとミュートにして行った為にこの場には居ない。

「だから、友達。相談相手。Aからも言われたんじゃないの？」

「女子高生の友達ってなんやねん」

知らねぇよ、いつの間にか友達になってたんだもん。
二人が戻ってこないかハラハラしながら早口で返事をする俺に構わず角刈り警察をチラつかせるすぎるが腹立つ。
もしかしたら二人がミュートを解除せずにこの話をずっと聞いてるんじゃないかと思えて早々と話を切り上げようとするが、今のすぎるには通用しない。

「蘭たんはAちゃんの事好きなん？」

「ないわそんなん。はいもう終わり」

「Aちゃんとちょっと話したんやけど、礼儀正しくてええ子やんな」

「そ、良かったね。…それ後で聞くから」

淡々と答えていくが、Aがすぎるの連絡先を聞く位に何を話したかったのかは気になる。
分かったと言ってようやく話を止めてくれたすぎるの声は、顔が見えていなくても分かるくらいにニヤニヤしていそうな声だった。

「はい、戻りました」

shu3が戻ってきて、“何か話してました？”と俺たちの会話に混ざろうとしてくる。
それに対してすぎるが大袈裟に“なんもないで！！”と返すものだから、余計怪しまれるだろとツッコミを入れたくなった。

「shu3は、自分に女子高生の友達が出来たら何したい？」

言ったそばからそれかよ、とツッコミたくなる気持ちをぐっと堪えて、ただの話題だと自分に言い聞かせる。

「いやー出来ないでしょう…ゲームとか一緒に遊べれば良いですかね」

“ゲーセンとか一緒に行きたいですね”と言った辺りから、いつの間にかhacchiも戻ってきていたらしく“誰とゲーセン？”なんて会話に混ざり始める。

「女子高生の友達が出来たら何したい？って話やねんけど、hacchiは？」

「出来んわそんなもん」

“出来るわけあらへん”とエセ関西弁で否定するhacchiは、一応趣味が合うならゲームや本の話とかはしてみたいと答えた。
どちらの意見もいいが、Aはそういう趣味が合う友達では無いかもしれない。
今度何処か出掛けるか誘ったら、何と言うだろうか。

三人の話をよそに、試しに聞いてみるかと考えていた。